小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

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『動く物語』






「はぁぁぁ!」

「シャウ!」

刀をネロに向けるビビ、しかし相手は六式使いに最近なった男、紛いにも強い。

「嵐脚」

「剃」

「シャウ! なんで六式が使えるんだ?」

「うちの船長はすごいのよ」

「意味がわからねぇっしょ、嵐脚」

「紙絵」

回避したビビは「剃」で近づき斬りかかる。

「鉄塊」

ネロは体を硬くして防ぐが、

「フレイム」

刀から炎が噴き出し、驚いていた。

「熱っ!」

体を硬くするのはいいけど、熱さとかには耐性がないようね」

「生意気な女っしょ、剃」

続いてはネロが先ほどの仕返しと言わんばかりに近づく。ネロが近づくまでにビビは

刀に着いている引き金を三回引いて、長押しする。

「ミスト」

「シャウ!? 霧!?」

「アックス」

さらに引き金を一回引いてダイヤルを変える。

「ぐっ!!」

ネロの右脇腹が斬られていた。

「効いたっしょ…………」

「船長が化け物だと大変なのよ」

「舐めやがって、シャウ! 俺はこんなところで負けるわけには」

ネロは脇腹を抑えながら立ち上がる。

「もういいぞネロ、時間をよく稼いだ」

「えっ?」

見るとロビンが海兵に捕まっていた。

「ロビンさん!? どうしてカルーとナミさんは!?」

「あのカルガモなら今頃海に沈んでいる。女は今捕獲した」

「っ!?」

見るとひどく暴行を受けたナミがぐったりとしている。

「どうした? 助けに行かないのか?」

「くっ……」

「私の事は気にしないで、行って!!」

「ビビ、カルー……を」

「ごめんなさい」

ビビは剃でその場を離れ、海へ飛び込んだ。



数分前


「金はねぇな」

「さっきからこいつら言ってたぞ」

「さて、どうするか」

「ウソップを運ばなきゃ」

四人はフランキーハウスを壊した後どうするか考えていた。

そこへ奇妙な面をかぶった人物と女二人が現れた。

「なんだこりゃ……」

「あん? だれだあれ?」

「考えられるのは一つだ」

「あいつがフランキーだな」

サンジとゾロの発言にルフィは目をこしらえると、

「あーっ、金の入ったカバン! お前がフランキーか、んにゃろう! 返せ!」

「ああ? てめぇらか、こんなことしやがって覚悟は出来てるんだろうな」

「それはこっちのセリフだ! ゴムゴムの……バスーカ!」

「へっ、通用するかよ!」

ルフィの攻撃は確実にフランキーの胴に当たったのにまったく効いた様子は見られな

かった。

「フレッシュファイア!」

「火を噴いた!?」

「能力者か!?」

「ああ? 違うね、俺は、サイボーグだ」

「サイボ―――グ!! かっこいい!」

チョッパーは浮かれていたが、傍にいたアスラは怪訝な表情を浮かべる。

(おかしい、なんでこのタイミングでフランキーが……)

不審に思ったアスラは覇気で島全域を見た。

「っ!! おいルフィ、ナミとロビンが襲われてる!」

「なんだと!!」

それに反応したのはサンジだった。

「まずい、海軍が囲んでる」

「くそっ! ナミさんとロビンちゃんを救わねぇと」

「おい、闇雲に向かっても意味がねぇだろ」

「いや、サンジとゾロは先行してくれ、あとから俺がどうにかする。ルフィ、お前も

向かってくれ、金は俺が取り戻しておく」

「分かった!」

「チョッパーはすまないがウソップ運んでくれ、俺は仲間を呼ぶ」

「うん」

四人はそれぞれメリー号へ向かった。

「おいおい、兄ちゃん、俺から金を奪うって?」

「ああ、急いでんだ。さくっと潰す」

アスラはベルトから鉄球を取り出す。

「ああ? 槍で来ないのか?」

「こいつでやったらお前が死んじまうかもしれないからな」

「はっ、舐めやがって、ストロング・ライト」

フランキーの右腕が発射されアスラを襲う。

「紙絵・彷徨」

紙絵で回避し、そのまま紙の状態でフランキーへと近づく。

「なんだ!?」

「くらえ!」

アスラはフランキーに鉄球を投げる。

「はっ喰ら――がはっ!」

一投目のあとにすぐ二投目を投げ、衝撃を倍増させ、さらに回転によるダメージを与

えた。

「アニキ!」

「平気かわいな!」

「ああ、くそっ、なんだありゃ」

「お前が知らなくていいことだ」

「ちっ、全部のコーラを使って1.5倍クー・ド・ヴァ――ン!!」

「剃」

「なっ!」

「当たらなきゃ意味ないしな」

「くっ」

「あいつらの金は返してもらうぞ」

「待て! 確かにあいつらから奪った金だ。だが、俺の夢をかなえるためにはどうし

ても必要なんだ!」

フランキーはうっすらと涙を流す。

「それは俺じゃなくルフィに言うんだな」

アスラはそれだけ言ってその場から消えた。




「ん? ビビとカルーの声がしない?」

エネルの心網はアスラほどではないが範囲は広い。しかし現在はルッチとカクを見て

いるため力を使う必要もあまりないと判断していたが、オーガ―からの報告で心網を

使ってみると、異変に気が付いた。

「まずいな。よからぬことが起きている。(ここは全員集まるべきか? いや、アス

ラの命令は)……く」

エネルが思考をしていると、力が抜けていく感覚に襲われた。

「なっ!」

「寝てろ」

強い衝撃が走り、そこでエネルは意識を失った。




「おい、聞いたか、アクアラグナが来るってよ」

酒場は数分前から賑わいを見せていた。

「アクアラグナ? それはなんだ?」

「あんたら旅行者かい? アクアラグナってのは高波のことなんだ。毎年下町を飲み

込むほどの波が来るのさ」

「……麦わらたち平気か」

「不安ね」

「しかし俺たちはあくまでもあのおと――」

カポーティは最後まで言うことなく吹き飛ばされた。

「おい! カポ……ティ」

ファーゴは膝をついて崩れ落ちた。

「ファーゴ! どうしたの!? はっ、海桜石!」

「お前もだ」

「うっ!」

ポーラもまた倒れて行った。





「アニキ……すいません」

「気にすんな、また貯めればいい」

「それは無理じゃのう」

「あ? 山ザル?」

「一緒に来てもらうぞいフランキー、いやカティ・フラム」

「なんでその名前を!」

「お主は黙ってついてくれば良い」

フランキーは気を失い、次に目を覚ました時は列車のなかだった。






「それで? あなたは何もしないの?」

カリファの秘書室でのんびりとレモンティーを飲んでいたリモーネはカリファに話し

かける。

「あなたを巻いて行動することは難しそうなので」

「キャハハハ、そうかもね。ところでアスラと何か話したの?」

「……いえ、別に」

「そう、動きたいなら勝手にしてもらってもいいわよ?」

「え?」

「私たちからは何もしないわ、なにかされたらするだけ、もしあなたの仲間が私たち

の仲間に何かしていたらただじゃおかない。それだけよ」

「……強いのですね」

「そりゃ、化け物船長についていくにはこうでも考えなきゃ」

「では、そうさせてもらいます」

「キャハハ、上等」






「ふむ、これも巡りあわせのなせることか」

「ふむ」

「いやな巡りあわせだな」

オーガ―、ゲダツ、ドルトンは現在海軍に囲まれていた。彼らは他の仲間に海軍が来

たことを知らせようとした矢先にこうなっていた。

「大人しくしてもらおうか」

海兵の一人がそういう。

「どうする?」

「んんんん!!」

「ゲダツ下唇」

「はっ!」うっかり!

「ここは強行突破するしかないのでは?」

「ギャハハ! そうはいかないんだよ」

「チャパパ! お前たちの仲間を人質に取ってるぞ!」

「あ、大人しくしや〜がれ〜い!」

「ビビ、カルー」

黒服を着た三人が現れ、抵抗したのか、ビビは怪我を負っている。

「貴様ら!」

「こいつの命を救いたきゃ分かってるよな?」

「これも運命か」






「報告します! 麦わらの一味ニコ・ロビンとフィオナ海賊団の者を捕獲しました」

「海列車に乗せろ、さっさと出るぞ。……五年もいたが、何の未練も残らねぇな」

「ルッチ、カリファがまだ来ておらんが」

「ちっ、放っておけ、所詮は女だ」

「分かった」




「くそ、何がどうなってる」

アスラはアクアラグナが来ると聞き、金をマクシムに置いておこうと移動していたが

どうにもおかしなことに誰もいなかった。

「エネルの棒とオーガ―の銃は落ちてるし、何が起きた? くそ、覇気がもっとうま

く使えてれば」

ダメもとでアスラは覇気を使い仲間を探した。

「どこだ……どこに……いるんだ」

探し続けていると天眼でようやくビビを見つけることが出来た。しかしビビはぐった

りと倒れている。

「ほう……やってくれるじゃないか海軍!」

アスラは船から飛び出す。

「軍神五兵、剃刀」

トップスピードで海列車に近づくが、

「撃て!」

大砲や銃弾がアスラを襲う。簡単にあしらえるが、少しだけスピードは落ちる。

「絶対に行かせるな!」

「どけぇぇぇぇぇ!!!」

アスラの咆哮が響く。




「ナミさん! しっかり!」

「おい、ナミ! しっかりしろ!」

「ごめん……ロビンさらわれちゃった」

「謝んなくていい! みんなで取り返そう!」

「私、何もできなかった……」

ナミの涙に呼応するかのように土砂降りの雨が降り出す。

「一旦高い所に行こう、アクアラグナってやつが来る。ナミとウソップの治療をしな

きゃならないし」

「ああ、急ごう」



「がはっ!」

「ふん、流石は新兵器だ」

「何を……した」

「対魔槍対策として我々海軍は開発を進めていた。そして誕生したのが香毒網だ」

「こう……どく、あみ」

「空中に網状の張った毒を巻くんだ。神経毒だなそれに少しでも当たれば今のお前の

ようになすすべもなく攻撃を受けることになる。空気に溶けてるからあるのかどうか

も分からないという訳だ」

「はっ、そうでもしなきゃ俺は止まらないからな」

「ああ、正直そう思うよ、だが、これで終わりだ。貴様は抹殺許可が下りている。セ

ンゴク元帥は本部で処刑したがってるがな」

海兵は銃をアスラの頭に狙いを定める。

「嵐脚」

「ぎゃああ!」

「あれはCP9のカリファさん!?」

「なぜ攻撃を!?」

「……私は本日を持ってフィオナ海賊団の秘書を務めることになりました」

カリファは眼鏡を右手で上げる。

「なん、だと!?」

「ふざけているのか!」

「ふざけてはいません考えた結果です。それとセクハラです」

「何が!?」

「キャハハハ、アスラ、派手にやられてるね」

「なんか新兵器とか言う奴でやられた」

「へぇ海軍もやるようになったじゃん」

「ああ、だが、そんなことを言っている場合じゃない、俺の仲間に手を出した。その

報いをまずは受けてもらうぞ」

「キャハハ、はじめましょ」

「海賊としての一歩ですね」

三人は海軍の中に飛び込んだ。


<あとがき>

どうも八咫です。

変な終わり方ですが次回でちゃんと回収します。

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