小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

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『浮き石と雷人は降りた剣士と麒麟を笑いながら狼を玉砕する』







「ギャハハ! いくぜ!」

「キャハハ! 沈めてあげるわ!」

リモーネは跳躍し体重の重さを減らし、身軽な状態で月歩を使いジャブラへと迫る。

対するジャブラは地上に立ったままのエネルに注意をしながらもリモーネの動きを見ている。

「嵐脚!」

「紙絵」

ジャブラの攻撃はリモーネの紙絵によって回避される。

「三千万ボルト・雷鳥」

太鼓をたたいてエネルは鳥を模した雷を飛ばす。それをジャブラは剃で移動し、回避するが、そこをリモーネが詰めていた。

「一万キロ――」

「鉄塊・剛」

「――プレス!!」

ジャブラは咄嗟にガードに成功、床が割れることはあっても沈みはしなかった。

「ギャハハ、残念だったな! 摩天狼!」

ジャブラはリモーネを両足で蹴りあげようとする。

「剃刀」

そこをリモーネは瞬時に移動し、エネルの傍へ戻る。

「キャハハ、面白くなってきたわ、エネル、あいつは私がやるわ、止めは譲るけど」

「ヤハハ、良いだろう。満足するまでやってくれ」

「ありがと」

リモーネは再びジャブラへと近づくが、そのとき天井に亀裂が走った。

『ん?』

三人とも亀裂が走った部分を見つめる。

するとそこから服を纏った麒麟とゾロが降って来た。

「ここは動物園か!?」

などとゾロは叫んでいた。

「ギャハハ!! カク、その姿最高だぜ!!」

ジャブラは高笑いしカクを指さす。

着地したカクはジャブラに向かって「わしは気に入っている」と言った。

「キャハハ!! なにあれ! 最高!」

「ヤハハ、愉快なことだ。アスラに言ったら仲間にするとか言うかもな」

「アスラの奴は俺が勝ったら仲間にするとさ」

「あ〜やっぱりね」

「あいつらしいな。手を貸すか?」

「いらねぇよ、お前たちはそっちの狼を狩ってろ」

「そうしてるわ」

それだけ言うとリモーネはジャブラに近づく。

「鉄塊!」

ジャブラはそう言いながら動き出す。

「俺はCP9唯一鉄塊をかけながら動ける男だ。さぁこれが敗れるかな」

「キャハハ、だからと言って、雷には勝てないでしょ? それに純粋な重さにもね、あなたさっきの衝撃がまだ腕に残ってるんじゃない?」

「……」

リモーネの問いかけにジャブラは答えなかった。

「まぁいいわ、どっちにせよ、勝てばいいんだもの」

再び跳躍し、真上から落下を試みる。

「はっ、何度も喰らってやるかよ! 月歩!」

ジャブラはリモーネよりも高い位置へと登る。

「月光十指銃!!」

「紙絵」

十本の指を使った指銃を回避したリモーネはそこから体をひねり、ジャブラを拘束する。両足でジャブラの両腕を抑え、手で足を掴む。

「ちっ、だが、このままでも俺は攻撃できる!」

ジャブラは尻尾を使った攻撃に出るが、リモーネには当たらなかった。

「なっ!? 直撃したはず! なぜ、まさか……てめぇ」

「そう、私は紙絵をかけた状態で普通の行動がとれる。あなたが鉄塊とやらで動けるようにね」

「バカな、そんなことが!」

「行くわよエネル!」

「ヤハハ、いつでもいいぞ」

地上で待っているエネルは太鼓を叩き、龍を出す。

「六千万ボルト・雷龍」

「一万キロ・ドライバー!!」

ジャブラを突き刺した後、リモーネがその場から離れた瞬間エネルの龍が襲いかかった。

「が……」

ジャブラはほとんど何もすることなく撃沈した。

「ん? リモーネ、そのままそこにいろ!」

「えっ、なん――」

エネルが何かを察知し、リモーネに忠告を発する。疑問を感じたリモーネだったが次の瞬間、塔が斬られており、その原因がカクにあることが判明する。

「ヤハハ、すごいじゃないか、アスラが仲間にしたくなるわけだ」

「まぁ、私たちは見物でもしてましょうか」

などと呑気なことを言っていると、放送が入り、スパンダムのドジでバスターコールを作動させてしまったことが分かった。

「それはそんなにすごいのか?」

「さぁ、以前アスラが一人で破ったって聞いたことあるわよ? 海軍の隠ぺいが間に合わなかったらしくてね」

「ふむ、そうなると恐ろしさが伝わらないな」

「そうね」

するとそこへ、

「おっ、終わったのか?」

アスラが現れた。脇には箱と金目になりそうな物数点を持ってきた。

「なにかいい物あった?」

「悪魔の実をまた見つけた」

「また? いい加減恐ろしくなって来たわ」

「そういえばアスラ、ロロノアが勝ったらあいつを仲間にすると?」

エネルが棒で麒麟姿のカクを指さす。

「ああ、あいつ大工だしさ、大工として雇おうかなって」

「なるほどね」

「まぁ、それまでは見物と行くか」

「あ、そういえばカギは?」

『カギ?』

「ロビンの腕につけられてる海桜石の手錠を外すカギだ。持ってると思うんだが」

「どれどれ…………あ、あったわよ!」

内ポケットにあったカギをリモーネはアスラとエネルに見せる。

「んじゃ、どうするかな……リモーネ、悪いんだが橋の方へとそれを持って行ってくれないか? ロビンと鉢合わせるかもしれないからな、万が一があったらオーガ―が援護してくれるはずだ」

「了解」

リモーネは部屋を出て行った。

「俺たちは、待つとしよう」

「ふむ」

アスラとエネルはゾロとカクの戦いを観戦した。




その頃



「うおおおお!!」

「ぬうう!!」

ルフィとルッチの戦いは終始ルフィが押していた。

というのはルフィはギア2の疲労の蓄積具合を極力ためない方法を見つけているためである。

「本気で行くとしよう。生命帰還、紙絵武身」

「なんだ、細くなった」

「見せてやる。六式を極めた者のみが使える技を」

ルッチはそう言うと素早くルフィへと接近し、両手を握りしめた形でルフィの胸に当てる。

「六王銃!」

「がっ……!」

ルフィは口から血を吐き倒れる。

「海賊風情に負ける俺ではない」




ためらいの橋 正義の門行の船




「ふー、なんとか片付いたな」

アスラの指示に従って動いていたカポーティは船にいた海兵を倒して船を奪取していた。塔の上にいたオーガ―からも狙撃の援護があり楽に占領することが出来ていた。

「ん? あれは……」

遠くに軍艦があるのを発見し、先ほどの放送通りにバスターコールが発生しているとカポーティは理解した。

「まずいな……ん? ありゃ……ニコ・ロビンか?」

反対側からスパンダムがロビンを連れてやって来ていた。ただしロビンはずるずると引きずられていたが。

「おいおい、ひでぇな」

カポーティはスパンダムへと攻撃をしようと構えるが、

「ロビンちゃ――――――ん!!!」

大声でスパンダムの後ろからやって来たサンジを見て、任せられると判断した。




「てめぇ、ロビンちゃんをよくも……三枚にオロすだけじゃたりねぇ」

「くそ! ファンクフリード!!」

「パオ――!!」

スパンダムは剣を抜刀し、先端をサンジに向ける。そしてそこからゾウが襲いかかって来た。

「邪魔だ!!」

それをサンジは恐れも驚きもせずに一撃で倒す。

「ファ、ファンクフリード!?」

「次はテメェだ!」

「ま、待て!」

「問答無用!」

サンジは飛び上がり回転する。

「コンカッセ!!」

「がば……!!」

スパンダムはその場に撃沈した。

「大丈夫かいロビンちゃん」

「ええ、ありがとう」

「いや〜てれるなぁ〜」

なよなよするサンジの下にカポーティがやって来る。

「こいつは面白いな。ドルトンが武器を無くして困ってたし、いいかもな」

「てめぇいたのかよ」

「ああ、アスラに言われてあの船を占領していたんだ」

そこへ塔の上にいたオーガ―とウソップがやって来た。

「いや〜オーガ―から学べることが多いぜ」

「これも巡りあわせだ」

「ロビ〜ン!!」

「クエ!」

「ロビンさん!!」

チョッパーとカルーがやって来て、その後すぐにビビもやって来た。

さらにはフランキー、ファーゴ、ゲダツが現れた。

そしてロビンにカギがかけられ、そのカギはCP9たちが持っていることを知ったビビたちだったが、そこへカギを回収して回っていたナミとポーラがやってきた。

しかし、手錠とは不一致だったが、そこへ月歩でやって来たリモーネが持っていたカギが当たり、無事ロビンは自由になった。

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