小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

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『歴史が動く戦い』




事の発端はアスラが倒した三幹部たちである。

彼らはアスラがコノミ諸島を自身のシマとして扱っていると言う話をした。そ

れはすぐさま海軍本部に伝えられ、センゴクが特例でバスターコールの発動を

許可したのだった。

万が一に備え、中将の一人にガープを入れ、出港した。

彼らの目的はアスラを討ち取ることだが、もう一つはコノミ諸島を地図から消

すことである。

「さすがの死槍もこの数の前では無力だろうな」

一人の中将が他の中将と連絡を取っていた。

『ああ、勝つことは不可能だ』

それがガープを除く中将たちの考えだった。










最初の砲撃では死者は誰も出なかった。

というのもベルメールが軍艦が十隻もやって来たと聞いて、もしかしたらと感

じていたからだ。

すぐさまゲンゾウと共に村の人々を安全な場所まで避難させた。

「ベルメールさん……」

「大丈夫、すぐに収まるさ」

「くそっ、どうして海軍が攻撃を!」

村の人々にも恐怖の表情が浮かぶ。

「ベルメールさん、大丈夫だよね?」

ノジコの問いかけにベルメールは何のことかと思った。

「アスラが助けてくれるよね?」

「っ! ああ、もちろんだよ。きっと助けてくれる。だから心配しないで」

ベルメールはノジコとナミを抱き寄せる。

(アスラ……)







攻撃船五号艦この軍艦には中将は乗っていない。その為指揮を執っているのは

少将となる。

「やはり死槍はいないか……まぁいい砲撃を続けろ。あんな危険人物を報告し

なかった者たちも悪だ」

『はっ!』

「少将! 左前方に人がいます! おそらく死槍かと!」

「ふっ、わざわざやられに来たか、砲撃用意! 決して逃すな!」

「少将! 死槍が海に潜りました」

「構わん撃て!」




アスラは砲撃してくる軍艦に向かって泳ぐ、そして真下についたのち槍を頭上

で回し始めた。

次第に渦が発生し、真上の軍艦にも影響が出ることになる。

「しょ、少将! 突然渦が発生しました!」

「見れば分かるわ! 馬鹿もん! 一体どうなっているんだ!」

乗組員はみな戸惑っていた。

そんなことは知らないアスラは渦に巻き込まれた軍艦を下から攻撃する。

(渦喰い)

渦に飲み込まれ五号艦は藻屑となって散った。

指揮を執っていた少将が最後に見たのは赤い槍を持った修羅だった。

「まずは一つ」

それだけ言ってアスラは次の軍艦を狙いに行く。





数分後

「報告! 少将五名が指揮を執る軍艦が何者かによって破壊されました!」

「なんだと……」

それを聞いて驚いた中将たちは己の認識を改めた。

「死槍の仕業か」

「正解だ」

「!!!」

甲板を濡らしながら中将の前に、アスラは現れた。

「わざわざやってくるとはな、ご苦労なことだ」

「黙れ」

「黙るのは貴様の方だ死槍! 絶対的正義のな―」

中将は最後まで言うことはなかった。

喉元にアスラの赤い槍が突き刺さったからである。

「黙れと言ったんだ」

「ちゅ、中将!」

アスラはすぐさま槍を引き抜き、

「さて、死ね」

残りの海兵を攻撃する。

「ガープ中将! 死槍が二号艦に現れました」

「分かった。船を近づけろワシが行く!」

「し、しかし……」

「お前たちじゃ勝てはせん大人しく見とれ!」

他の軍艦でも、

「私が行こう」

中将たちが二号艦へと集結していく。






その頃アスラは二号艦に乗っている船員をすべて倒し、次の軍艦へと向かおう

としていた。

「これ以上好きにはさせんぞ死槍」

「私たちが来た以上は」

「覚悟してもらおう」

「絶対的正義の元に」

海軍本部中将四名が立った一人の為にそろった。

「笑わせるな……そう言っていないと自分たちのしていることが正当化できな

いからだろ? くだらん」

「貴様っ!」

中将の一人オニグモが両手と能力による手に剣を持ち、アスラに近づく。

「柳の舞」

オニグモの攻撃を全て交わす。

「っ! やはり覇気を習得したか」

「刺墜」

槍を上からオニグモ目掛けて振り下ろす。

「ぐっ!」

回避行動が遅れたオニグモは左腕を刺される。

「っっ!!」

激痛に耐え、後ろへ下がる。

「おのれ!」

ガープを筆頭に残りの二人も続く。

「……烈葬」

近づく三人に高速突きを放つ。

回避した三人だが、この槍の前では意味をなさない。

致命傷ではないが傷はついた。

怯んだ中将の一人に近づき突く。

的確に心臓を突き刺し、引き抜く。

続けて襲い掛かるガープに攻撃するが、その横からもう一人の中将が攻撃して

くる。

アスラは咄嗟にガープの攻撃を中断し、防御する。

そして中将のほうの攻撃を受ける。

「ぐっ!」

距離を取ろうとするアスラにオニグモが近づき斬りかかる。

飛び上がり、頭上を取ったアスラはオニグモの背から出ている蜘蛛の手を切断

する。

倒れるオニグモを踏みつけ、ガープともう一人を攻撃する。

「はぁぁぁ!」

中将がアスラに接近し剣を抜く、槍と鍔迫り合いになった所でガープが横から

殴りかかる。

「とんぼ返り」

アスラは後方へと飛びながら一回転し、着地する。

回転中に攻撃をしており、ガープは左肩を切られていた。

「進撃槍」

今度は間合いを一気に縮め、中将を突く。

「ぐっ……」

「残るは一人」

アスラは冷徹な目でガープを見る。

「まさか、バスターコールに一人で挑み勝つとはな……」

「……こいつらを連れて失せろ。そしてセンゴクに伝えろ。もしあの島に危害

を加えたらお前の心臓を貰うと」

「……分かった。伝えよう」

それを聞いたアスラは軍艦から降りて、泳いで村に戻った。






砲撃が止んだため村の人たちは警戒しつつも村へと帰ってきた。

「みんな! 無事か!?」

軍艦から泳いで戻って来たアスラはさっきとは打って変わって心配そうな表情

を見せる。

『アスラ!』

ノジコやナミをはじめ子供たちはアスラに抱き着く。

「うおっ! どうやら無事のようだな」

「あんたもね、アスラ」

「ベルメールさん……すまない、みんなに迷惑を」

「何言ってんだい、あんたが気にするようなことじゃないよ」

「そうだ。お前は恩人だ」

「ゲンさん」

「ありがとうアスラ!」

アスラはうっすらと涙を流した。

「俺のほうこそ、ありがとう」






海軍本部中将五名、軍艦十隻のうち、

死者 数千名

重傷者 数名

軽傷 ガープ中将のみ

軍艦 五隻帰還内一隻は解体



海軍の歴史に残る大敗だった。










数日後このニュースは世界中に広がった。



西の海 とある島

「…………」

ニコ・ロビンはそのニュースが流れても信じることは出来なかった。

自身の故郷を滅ぼしたバスターコール。それをたった一人で撃退してしまった

人物。

ロビンは会ってみたいと思った。

この人はどのような思いで軍艦と戦ったのだろうか、自分の友人のように戦っ

たのだろうか、

「会ってみないと……ね」

ロビンは新聞を畳み部屋を出た。

もしかしたら自分の闇を払う存在になれるのかもしれないと思ったから。




グランドライン 船上

「……天に抗ったと思えば、次は世界に刃向うか……」

「……恐ろしい人、敵わないわ」

「ええ、とんでもないわ」

ボア・ハンコック及びサンダーソニア、マリーゴールドの三人は商船から奪っ

た積み荷の中にあった新聞を見て驚いた。

かつて自分たちを助けた男が今度は圧倒的な兵を前に大立ち回りをしてのけた

ことに。

「いつかは礼がしたいものじゃ」

「ええ」

「そうね」

三人は数年たった今でも恩を忘れてはいなかった。





新世界 とある街

「オヤジ! 大変だ!」

「ああ? どうした」

「これ、見てくれ」

「…………グララララ! とんでもない大馬鹿野郎だ。グラララララ!」

白ひげエドワード・ニューゲートは大笑いをする。

白ひげから新聞を受け取ったマルコは、

「へぇ、やるじゃねぇかよい」

とだけ言った。

「グラララララ! 今日は宴だ!」

『うおぉー!』

「いいのかよいオヤジ」

「あいつを祝うんだ今日ぐらい許してくれるさ、街の者も呼べ! 今日はパァ

ッとやるぞグラララララ!」







死槍のアスラ改め魔槍のアスラ

懸賞金五億八千万ベリー

DEAD or ALIVE

-9-
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