小説『ペルソナ4・ザ・ゴールデン 平和を望んだ異端者』
作者:イザナギ()

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第七話 完二の襲来、見舞いてきな。

ぼーっとしながらすごす。家の鍵はかけた、窓も然り。ゲームのスイッチはちゃんと切ったし、他に何か忘れたりはしていない。他に何かあったっけ?

などなど、暇つぶしに考えている。
と、気のせいかノックされた気がした。
ドアが開く。

「ち、ちぃーっす」
「あれ、完二じゃないか。なんだ以外に義理堅いんだな。お前、やっぱいいやつだよなー」
「そんなことねーっすよ。ただ、先輩には、色々借りがあるんで」
「そこがいいやつっつってんの。しかし、懐かしいな。お前と会って地味に結構たつよな?」
「ま、経ったっつっても、二ヶ月くらい前っすけど」

今話してる巽完二は俺の、一応友達だ。会ったのは、三月、いや二月半ばごろだったか。
完二が複数人相手に喧嘩してるのに助太刀したところが最初。いやぁ、完二って結構いい拳放つんだこれが。
で、巽屋って完二の家行って、完二の趣味知って。ものすごい手先が器用でうらやましいよ。
俺も完二にならってとてつもなく久しぶりに裁縫やったんだ。

結果は凄いぜ? 布に縫った数より、指とかに針が刺さった数のほうが多いんだ。
凹んだ、かなり。優しく完二が慰めてくれました。余計に惨めだったよこん畜生!

「ど、どうしたんすか?」
「ん、なんでもない。で、土産は?」
「いきなり土産っすか!? はやいっしょそれ! ……まぁいいか。えっとほら、先輩って合い鍵くれたっしょ?」

あげたっけ?……ああ。そういえば無くしそうだし、保管も面倒だから完二にやったんだっけ。

「あれ使って先輩んちから片手でできそうなゲーム持ってきたんすよ。ま、俺には理解できないシュミレーションとか、アドベンチャーとかってやつっすけど」
「お前、いいやつだな。……鍵はかけたか?」
「かけたっすよ! どんだけ信じてないんすか!」
「完二」
「な、なんすか」
「ありがとな」

なんだかんだ言って、男友達ってコイツだけな気がするな。

「べ、別にいいっすよ。若干先輩に救われたとこもあるんで。ってあれ? そういえば俺土産の内容も今日来ることも、全部メールしたはずなんすけど」
「ああ、それがどっか落としたみたいでな。退院したら、買いにいくさ」

その後、完二と雑談し、遅くなってきたので帰った。……あれ?今日って平日だよな?
………………あいつ学校サボりやがった!?

いずれ説教しよう。感謝も忘れ、そう思う。

後書き
完二と関わりがある、ということを入れたくて、けど特に思いつかなかったのでこんな感じになりました。誤字があったらよろしくお願いします。

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