小説『ペルソナ4・ザ・ゴールデン 平和を望んだ異端者』
作者:イザナギ()

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第八話 天城および噂に関して

完二がちょくちょく顔見に来たり、ゲームを四苦八苦しながらやってると、あと明後日には退院できる。
やれやれ、やっとか。もっとも二、三日は学校に行けないらしいがそれで十分。

と、ノックされた。

「どーぞー」
「し、失礼します」

入ってきたのは里中だった。
なんかものすごい久しぶりな気がするな。

「どうした? 似合わない敬語なんて使って」
「うっさい! 別に良いでしょ」
「すぐ戻ってるし。で、何のようだ?」
「お見舞い。と携帯の番号聞こうかと」
「残念だが、俺携帯無くしちまってさ。退院したら新しいの買うつもりなんだ」
「あちゃぁ、残念。ああ、あと、雪子のことについての経過報告」
「はぁ? 天城のことについてって言ったか? 天城になんかあったのか? 俺みたいに事故ったか?」

俺がそういうと、キョトン、ていう表現が似合う変な顔をした。
ていうかなんかあわててる。まさかあの天城に限って事故に遭うとは考えられないが?

「え? 留守電に入れたと思うんだけど……」
「俺はあー、何日だっけ? 詳しく覚えてないが集会のあった次の日に事故にあったんだ。留守電なんて見てないし。で? 天城がどうしたって?」

まさか本当に事故にあったのか?うーん、救急車に運ばれたわけでもないだろう。そんな大きな事故は起こってないはずだ。
起こったらサイレンでわかるし。

「あ、ううん! なんでもなかった。ちょっと忙しくて疲れるみたいで学校にこれてないってだけなの」
「そうか? 里中は意外と早とちりが凄いからなぁ。始業式の前のとき、なんだっけ? 雪子はあたしが守るんだ! だっけ?」
「そんな前のこと蒸し返さないでよ!」
「二週間ちょいだろ? そこまで前じゃないし、俺被害者だし? あん時俺どんだけ悪いやつに見られていたのかね」
「うう、ごめんって。雪子は噂は気にしないけど、だからこそあたしは心配だし」
「そういや俺って避けられてるのはわかるけど俺に関する噂って聞いたこと無いな。どういう噂なんだ?」
「え!? えっと、その。族を不良と二人で潰した、とか。癇に障ることがあれば女でも情け容赦なく手を出すとか。気に入らなければナイフを突きつけて脅すとか。えっと、この町の人間全てを顎で従わせるとか、たくさんの女と又かけてるとか?」
「最初はともかく最後の二つは絶対無い! いや、最初のほうにしたってなんか脚色されてるし! 潰したじゃなくて解散させた、だし。情け容赦なくって軽く拳骨くれてやっただけだし! ナイフはマジックナイフだっつの!!」
「いや、十分だし。まぁ最後の二つはあたしも無いな、とは思ったけど」
「当たり前だ!? つーかだれだそんな噂流したの!!」
「えっと、一番最後は花村だけど」
「あいつかああぁぁぁあぁあぁぁあ!!!!!!!!!!!!」


などなど雑談が始まった。ちょっと雑談じゃないトコも入ってるが。
暗くなったら帰った。結局雑談で終わったな。

…………花村、コロス!
聞かなきゃよかった、と後悔してる俺がいた。

後書き
折角なのでもうひとつくらい入院話だしたいなーって思った結果こうなりました。変なところがあったらこうすればいい、みたいな感じて教えてください。修正は出来る限りしますので。あと、設定を一部追加しました(12月19日)。といってもほぼ変わっていませんので見直したりする必要は無いと思います。

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