小説『闇夜にはマロウティーでも』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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事情聴取が始まってからもうすでに1時間経過しようとしていた。私ももう限界だ。眠たい・・・そう思ったときだった。
「あの、花茂芽さん。大丈夫ですか?顔がボーっとしてますよ?コーヒーでもいかがですか?」
マスターが私のことを気遣ってコーヒーを出してくれた。ここのコーヒーはここで淹れているからとてもおいしい。
「ありがとう、マスター。」
私はマスターに礼を言いコーヒーを飲んだ。うん、今日もおいしい。この暑い夜にはアイスコーヒーだよね。
「・・・私にいただけるかしら?」
OLのような女性がマスターに言った。おそらく彼女も眠たいのだろう。目の下くまができている。
「あ、ええ・・・もちろん。ちょっとお待ちください・・・」
そういうとマスターは裏へ入っていった。コーヒー豆が切れたのだろうか。しかし私は違うところに目をつけた。今のマスターの反応。何か気になるな。
「あの・・・失礼ですが、あの方をご存知ですか?」
私は勇気を振り絞り彼女に聞いた。私は人付き合いが苦手なのだ。
「ああ、マスターのこと?私もここの常連なの。彼とは結構会うわ。一週間に1回くらい。」
なんだ、ただの客か。じゃああのマスターの反応は・・・?
それにしても気さくな方だ。話しやすくてよかった。
私もそろそろ事情聴取の時間かな?準備をしておかなくては。・・・準備するものなんて何もないのに。どうしたんだろう私。
するとまた人が帰ってきた。
「・・・次、花茂芽お前の番だ。」
私は再び連れて行かれ裏の部屋へ向かった。

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