小説『闇夜にはマロウティーでも』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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?解決編?

―花茂芽―
私はNASUTACHUMUに着くと正治にある頼みごとをした。
「あのさ、喫茶店男性毒殺事件の証拠品を見てきて。おかしいことがあるかも知れない。写真も撮ってきて。」
「え?あ、うん。わかった。」
そういうと正治は車に乗ろうとした。でも私はそれを止めた。
「どういうこと?」
「え?ああ、歩いていってくれないかな?」
「あの距離を!?なんてこと言い出すのかと思えば…」
「何よ。女性に運転させて行く気?失礼ね。まったく…」
「わかったよ…バスで行くしかないか…」
そういうと政治はとぼとぼと歩き始めた。
それを確認した私はNASUTACHUMUの中へ入っていった。
私が正治を歩かせた理由は彼にこの事件の真相を知ってほしくなかったからだ。
いや、知るべきではない。
中に入ると全員そろっていた。
帯夢も、知宇夢も民斗も…
「こんなところに呼び出して、どうしたんだい花茂芽ちゃん?」
民斗がそういってくれて少し落ち着いた。
「…離れたかと思えばまた呼び出しやがって。手短にな…」
無愛想にそういう帯夢。知宇夢は黙ったままだ。
「この事件の…真相がわかったんです。」
みんな鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
「この事件の真犯人、それは…」
こんなこと、言いたくない。
私はあの人を信じてた。被害者との関係を知ったときから可哀想と思ってたのに…
こんな裏切り方って…
「真犯人それは…あなただ!」
私はその人物に人差し指を突きたてた。
私の目には熱い何かが溜まっていた。その指の先には、あの髭…
「そうだよね?帯夢…さん……」
信じたくはない、でも事実なんだ。

あの人しか、ありえない。

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