〜数時間前・船上〜
「今回行われる上陸作戦だが、我々は最前線に配属されることになった、相手は最新型のレーダーを配置しているらしく奇襲は難しいものと思われる、よって本日、まるろくまるまる、に一斉攻撃を仕掛ける皆、準備を怠るな」
将校服を着た指揮官らしき人物はそう言って船室へ入っていった。
「あ〜あ、今度の指揮官様はえらくご立派な方だねぇ」
声をかけられた俺は殆ど反射で喋っていた。
「黙れ、糞ジジイ」
「おいおい、話しかけた奴の顔も見ずにそんなこと言ってもいいのか?もしも上官だったら即銃殺だぞ」
声の主はおそらく俺の後ろにいるであろう人物だ。
「てめぇの声はねちっこいからすぐ分かんだよ」
俺がそう言うと後ろから笑い声とほんの少しの酒の匂いがした。
「ハッハッハッハ!そうか!ねちっこいか!面白いことを言う!」
まったくどこが面白いんだか、このジジイは。
「酒くせぇ…」
気づくと呟きと笑いが口から漏れ出ていた。