「おい!!ジジイ、何しやがった!?」
振り返りざまにそう叫ぶとそこにジジイの姿は無かった。
「!?ジジイ!!どこだ!?」
焦った俺はまた叫んでいたそこがまだ戦場という事も忘れて。
”ガガガガガガガガガガガガガガガ”
クソッ、まだ敵が残ってやがったか。
「おい、糞ガキ、戦場のど真ん中で叫ぶなんて、撃ってくださいと言ってるようなもんだぞ」
「!?どこだジジイ!!」
「叫ぶなと言ってるだろうが!」
怒鳴り声がした後、山盛りになった土の中から手が出てきた。
「ウエッ、ペッ、クソが口の中が土だらけだ」
「…」
俺が口をあけてポカンとしていると
「なにボーっとしてるんだ行くぞ、今ので敵の防衛の要になっていた機銃は壊れただろ、今がチャンスだ!」
ハッとしてジジイの後ろを追いかけるような形で走り始めた俺はふと疑問に思った。
「おいジジイ!、どうやってあの支援砲撃を要請したんだ!?制空権が掌握できていないのに支援砲火なんて!!」
「あの支援砲撃は敵のだ!!」
ジジイの口が少しだけ笑っているようだった。