小説『戦争国家』
作者:ゲスと()

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「敵の支援砲撃!?どういうことだ?」

俺の質問に対してジジイは誇る様子もなく。

「簡単な話だ、敵の斥候から地図と無線をを奪って、敵に侵入された、とかなんとかいって自分たちの陣地を爆撃させただけだ」

と答えた。

「そんな事ができるのか?それ以前に敵の言葉とか暗号とか分かるのか?」

さらに疑問を募らせた俺は問いただすように言ったが。

「質問はここまでだ、敵はもう散り散りになってるぞ、さっさとここを制圧しちまおう」

ジジイはそう言って少し目を細め、そして歩いて行った。

数時間経つと敵は退き、誰が炊いたのか、空高く連絡用の赤い煙幕が広がっていた。
それから間もなく。
波打ち際はたくさんのものであふれていた、輸送艦から出てきた移動用の輸送車や補給車、上陸戦で壊れた船の破片、死んでいった兵士たちの装備、誰のものか分からぬ腕や足。

これが戦争か…

「うわああああぁぁぁ!!!」

物思いにふけようにも簡易医療室で叫ぶ兵士の声が届き、心中穏やかにはならなかった。

正直俺は恐ろしかった、叫び声が、銃声が、敵が、戦争が…

-7-
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