小説『ボーッとしていたら、過去に戻ってしまいました。』
作者:氷菓()

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「え?」
祖母がポカーンと私を二度見する。
「え、えっとだからね?私はその..」
必死に説明しようと試みるがうまく言葉が浮かばない。
浮かべよ!言葉!何考えてんだよ私!
そんなこんなで頭の回路をぐるぐると探る。
そうしていると祖母が急に゛ぶハハハハ!゛とカビ●ンみたいな感じで笑い出した。
そしてお腹を抱えながら祖母が私を見る。
「面白いジョークだねぇ〜!もっとマシなジョーク考えなさい〜」
「いや、ジョークじゃないんですけど」
「いいからいいから、スイカ食べるかい?」
「あ、食べる」
ってちげぇええええええええええええええええええええええ!?
んな事してる場合じゃないんだよ?スイカは好きだけどさ、
てか......................................学校は....?
「あのさ、学校っていつだっけ?」
「んー知らないね。美味しそうなスイカだよ!」
おばあちゃん、一言言っていいかな?
スイカ切ってるのに喋らんといてっ!唾がはいってるよッッ!?

「はい、召し上がれ」
「..あんがと」
と一口パクッといきたかったが、さっきの件を思い出した。
「わ、私、冷たいスイカの方が好きだっから洗ってくるねぇええええええええ」
とスイカを持ちながらダッシュ。
そして水道のところでスイカを洗った。そうすると赤みを帯びた真っ赤な果汁が水と一緒に流れ落ちた。
「あ..」
分かってはいたが悲しくて少しだけ水道の前で俯いてしまった。

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