小説『ボーッとしていたら、過去に戻ってしまいました。』
作者:氷菓()

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やっと堅苦しい授業も終わり、
チャイムが校内全体に響き渡る。

私は、背伸びをしてあくびをする。

そして自分を自画自賛する。
゛私って今日も頑張ったわー。私天才゛と。
傍目から見ると残念な姿だろうが、
私を支えてくれる唯一の助け舟なのだろう。

多分...

そう考えていても私は、手際よく鞄の中に教科書類を詰め込む。
詰め込み方は、自分から見るといつもより綺麗。
客観的に見るとすげぇ汚い。
てか、鞄に詰める入れ方とか、机の中の汚さ、とかどうでもいい。
人生にそんな必要じゃないような気がしてならない。

まあ、そんなこんなで学校を出たわけだが、
校門の所で見覚えのある男性が立っていた。

冗談。
私の彼氏の栗原 麗緒。結構イケメンなのかもしれない。
個人的に。

何故、アイツと付き合うようになったのかは..............

なんだったっけ?忘れた。

私が足早に彼の元に駆け寄ると彼は、微笑みを浮かべる。
「さ、行こっか。彩矢」
「うん。」
未だに何故私なのかがわからない。
いや、別に好きじゃないわけじゃない。寧ろ好きだけど..
そこらへんに可愛い女の子なんてもっと居る。

全く、私を好きになるなんて...........

余程、見る目があるな。
と空想の世界に入りながらも彼との楽しい下校を過ごした。

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