小説『ソードアート・オンライン―黒の剣舞―【凍結】』
作者:バイタリティ()

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時は満ちた

さぁ剣を持て

慢心を捨てろ

魂に深く刻んだその誓いを胸に

己が全てを捧げ


大切な者を護りきれ



8話『はじまりの日・前編』


ついにこの時が来た


今日は11月6日、日曜日

現在世間が最も注目しているホットニュース、VR-MMORPG『ソードアート・オンライン』が正式にサービス開始となる

まぁこの数時間後には別の意味で注目されるニュースになるのだが…



今まで着々と準備をしてきた
この準備が無駄になることを祈った
でも昨日、明日菜先輩からメールが来た
内容は起きてほしくない現実だった

[兄さんが急な出張が入って今話題の『ソードアート・オンライン』をさせてもらえるようになりました!へへ、羨ましい?というか朱音くんも持ってるのかな?もし持っていたら一緒にプレイしようよ!]

絶望した
あまりのショックに必ず30分以内にはしていた返信もしなかったくらいだ

理由をつけて彼女のログインを止めさせることは出来たのかもしれない
しかしこの物語の修正力は彼女を捕らえて離さないつもりなのだろう

或いは此れがしわ寄せなのかもしれない


ならいっそ腹をくくってやろう
それから僕は最終調整を始めた

準備とは茅場昌彦のアバター、ヒースクリフの持つ【immortal object】を一時的に解除するプログラムだ
【immortal object】イモータルオブジェクトとはHPが無くなれば死を意味するSAOではあり得ない不死を実現するプログラムのことだ

僕はこの不死を一時的にだが解除するプログラムをナーヴギアに埋め込んだ
なぜそんなことが出来るのか?前世での引きこもりを舐めないでほしい
いや全く誇らしくないのだが…
ことパソコンに関しては人並み以上の知識は持っていた
それを引き継いだ現世ではさらにプログラミングの勉強を死ぬ気でやった

そして出来たのが10分間だけシステム的不死を無効化するプログラム、【immortal killer】だ

付け焼き刃なプログラムなのでたった10分しか効果を発揮しないがこれは10分で彼を仕留める実力を付ければいいだけの話だ


現在時刻は12時50分
サービス開始時刻は午後1時からなので急いで準備をする



ナーヴギアは一万本限定。これは正直幸運なことなのかもしれない
茅場さんから約束された僕と違って普通の中学生であるユウキたちは関与することがないのだから


……ユウキたちには心配をかけることになる
最低でも2年は目覚めることのない眠りにつくのだ
大切な家族に心配はかけたくない
でもやらなければならない
やると決めたんだ


さぁ行こう!

「リンク…スタート!」

意識が薄らいでいく


welcome to sword art online!


あぁ、来てあげたよ
でも宣言する
僕…いや“俺”はお前(茅場昌彦)をクリアしてみせる!


でもこの数時間後に認識が甘かったと後悔することになる
その代償は―護るものが増えることだった





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━こんな決意のお話でした。朱音くんは強くなろうと奮起します!それとあれ?ユウキたちは参加しないの?と思う人もいるかと思いますがちゃんと参加しますので安心してください。所謂伏線っぽいものです。さぁ今回は短いですが前後に分けました!後編ではついにアインクラッド編の始まりです!では次回で!

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