小説『ソードアート・オンライン―黒の剣舞―【凍結】』
作者:バイタリティ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>


愛されなくても愛したい

でも愛すれば愛するだけ愛してほしくなる


わがままなのはわかっている


それでも貴方の愛がほしい



10話『はじまりの日・後編』



『プレイヤーの諸君、私の世界にようこそ』

身長20メートルほどの真紅のフード付きローブをまとった顔のない巨人――茅場昌彦はその滑らかな低音でそう言った


これだけ見るとまだこの世界がただのゲームのように感じる
運営側の大規模なサプライズだと…


『プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅すていることに気付いていると思う。しかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなく、『ソードアート・オンライン』本来の仕様である』


「し、仕様、だと」

先ほどまでパーティーを組んでレクチャーしていたクラインが割れた声でささやいた

『諸君は今後、この城の頂きを極めるまで、ゲームから自発的にログアウトすることはできない』

『また、外部の人間の手による、ナーヴギアの停止あるいは解除も有り得ないもしそれが試みられた場合――ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる』


そして茅場さんは淡々と遠回しに“殺す”と続けた


数秒間の間を開けて周りがざわざわとさざめく

しかし騒ぎ立てる者はいない

それは理解が出来ていないのか、それとも理解することを拒んでいるのか…

それでも茅場さんは続ける

すでに213名のプレイヤーが死亡していること

現実世界で二時間の回線切断猶予時間を設けていること


そして―

『今後、ゲームにおいて、あらゆる蘇生手段は機能しない。ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、同時に



諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊される』

このゲームがデスゲームであると宣言した




『それでは最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。証拠のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれたまえ』


それを聞くや、その場にいたプレイヤー全員がメインメニューを開いていた

アイテム名は<手鏡>

オブジェクト化して開いてみるとそこにはリアルでの俺と全く同じ顔

周りは何がしたいんだ?とでも思っているのだろう

―と
突然、白い光が全プレイヤーを包む

そして光が収まりと…


先ほどまでファンタジーに出てくるような容姿をしていた美男美女の群れはそこになく、そこらにいそうな人たちが鎧などを身に付けている、一見するとコスプレイヤーの集団のようだ

心なしか男女の比率もおかしくなっている
男女5:5の割合が男6、女4といった具合に変わっていた



『以上で『ソードアート・オンライン』正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の―健闘を祈る』

それを最後の一言に、真紅のローブ姿の顔なし巨人は消えた


消える際にそのあるはずのない顔が俺を特定して見ていたような気がした





「嘘だろ……なんだよこれ、嘘だろ!」
「ふざけるなよ!出せ!ここから出せよ!」
「こんなの困る!このあと約束があるのよ!」
「嫌ああ!帰して!帰してよおおお!」
悲鳴、怒号、罵声、懇願、そして咆哮

ようやく一万人のプレイヤーが然るべき反応を見せてくれた


この中に明日菜先輩…いや、アスナがいる

一万人の中から探すのは至難だろうが早く見つけて次の村に行かなければ…


「クライン…俺は友達を見つけ出して次の村に向かう。アンタはどうする?」

「お、俺は…リアルのダチを置いていけねぇ…だからおめぇは気にしねぇで、次の村に行ってくれ」


「…そっか、分かった。じゃあここで別れよう。何かあったらメッセ飛ばしてくれ。…じゃあまたな、クライン」


俺はクラインに別れを告げると体を広場の高台に向けた


「おい、シュオン!おめぇ、その顔リアルの顔だったんだな!綺麗で見惚れちまったぜオレ!!」

五歩ほど歩いたところで背中にそんな言葉を投げ掛けられた


…バーカ
「俺もその野武士ズラのほうがアンタらしくて似合ってると思うぜ!」

なんて軽口叩きながらクラインに手を振りアスナを探すため広場の高台に向かった



少し急ごう…そう思って走り出したら…


「きゃあ!」ドンッ

しまった
こんな密集地帯で走ったら人にぶつかるのは当然なのに…
俺も少し動揺してるのかな…っとそれより先にぶつかった人を…


「すいません、大丈夫…で……すか」


「あっ、平気です…って兄ちゃん!?」

手を差しのべた女の子はリアルでの俺の妹分である――


「なんで……ユウキがいるんだよ……」

紺野木綿季がいた





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━書いていてつまらなかった10話でした。やっぱり原作の写しはつまらないですね。でもここがないと始まらないわけで…。最後に登場したユウキさん!シュオンはユウキがダイブしているのを知りませんでした。そしてユウキがダイブした理由とは…?これは次回ですね!それとアンケートにたくさんお答え頂き感謝です!やっぱり疾風の人気がパねぇ…そして誰も選ばないバーサーク…中には疾風と魔眼のダブルはどうよ?ってな意見もありましたが…チート過ぎない?攻撃の3秒先が見えて最速の疾風ですよ?ヒースクリフ涙目ですね!

-13-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ソードアート・オンライン ランべントライト (アスナ) イヤホンジャック
新品 \3590
中古 \
(参考価格:\1890)