小説『ソードアート・オンライン―黒の剣舞―【凍結】』
作者:バイタリティ()

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番外話『とある未来のセレナーデ2』


「あっ、やっと起きたの?アインクラッド最強を決める日だっていうのに暢気に寝ていられるなんてきっとアンタぐらいよ?」


武器の調整をしようと住居に隣接する工房に足を運ぶと愛しいお嫁さんの1人、リズが俺の顔を見るなり呆れた様子でそう言ってきた


「照れるからあんまり褒めるなよ」


「褒めてないわよ…。まぁ、アンタだからと言われれば納得してしまう私も結構毒されてるわね」


なーんて言いながら頬を赤く染めるリズ
うん、俺のお嫁さんはやっぱり可愛い

「愛してるぜ、リズ」

だから我慢なんかしない
好きなら好きって言ってしまえばいい

「こら、あんまり軽々しく愛してるなんて言わないの。でも…ありがとう。私もシュオンと同じ気持ちよ」チュ


軽く唇が触れ合う程度のキス
それでも想いは強く伝わる

あぁ…やっぱり幸せだ!











カンッカンッカンッ!!

「…ふぅ、これで調整は完了よ。まぁ、『テルミヌス・エスト』は最初から調整が要らないから楽なものよね」


リズが鍛冶スキルを使い俺の愛剣、片手直剣『テルミヌス・エスト』と片手短剣『アイテール・バロック』の調整を行ってくれた


「まぁ、アイテールはまだしもエストには耐久値(・・・)が存在しないからな」

67層にある村で受けることが出来た限定クエスト『折れることなき聖剣』で手に入れた白銀に輝く片手直剣『テルミヌス・エスト』

このエストの固有スキルは驚くことに『耐久値無効』

ボス戦でボスの強力な攻撃を受けるたびに心配だったのは耐久値が全て無くなることだった

耐久値が無くなると剣も消えてしまうがエストにはその耐久値が最初から存在しない

故に折れることなき聖剣というわけだ

そしてもう1つの愛剣、『アイテール・バロック』
これは最悪のレッドプレイヤー【PoH】のメイトチョッパーと同じ大型ダガーだ

レアドロップアイテムに有りがちな固有スキルは存在しないが圧倒的なまでの攻撃力の高さが魅力的だ


ユニークスキル『疾風』によるスピードで攻撃を避けつつエストとアイテールで確実にHPを奪っていくというのが俺の戦法

『疾風』を手に入れてからは敏捷の熟練度を上げる必要が無くなったため筋力の熟練度などを頑張って上げている


「自分でも引くくらいチートだよなぁ…でも上の階層のボスって俺より強いやつ多いし丁度いいか」


「もう、今はモンスターよりヒースクリフでしょ!冗談抜きであの人の盾は硬いよ?パワーも凄いって言ってもガチガチのパワー型のラン程じゃないんだからさ」

だよなぁ…パワーに関しては俺以上の両手剣使いのランですらヒースクリフの神聖剣は崩せないって言っていたもんなぁ〜

「まっ、何とかなるさ」

別に負けても何か取られるわけじゃないし
うちの嫁に危害を加える気なら容赦無しに殺しにいくけど

「アンタは私たちの旦那なんだから負けるなんて許さないわよ。プロポーズしてくれた時も言ったじゃない「お前らの前でだけは常に最強でいる」って」


「別に負ける気なんてさらさらないよ。でもヒースクリフは間違いなく最強クラスだ。何が起こるかは分からないってだけさ」


だって茅場さんだぜ?
破壊不能オブジェクトとかチート過ぎるぜ
対策はしているけどさ


「まぁ、いいわ。アンタが負けるところなんて想像出来ないし。…早く行きましょ、ユウキとサチ、シリカはもう会場に行ってるんだから」


「はいはーい、んじゃあ勝ったらリズにいっぱいご褒美貰うとして頑張るとするかな」


「全く……私が出来る範囲なら構わないわよ」

ふっふっふ!今の言葉忘れないぜ!

「なら…今夜は寝かさないぜリズ?」


俺のその言葉に真っ赤になったリズが可愛すぎたので抱き締めてしまったがむしろ襲わなかっただけ褒めてほしいな!






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