別に正義の味方になりたいわけじゃない
俺は大切な彼女たちを護りたいだけなんだ
ただ、それだけなんだ…
4話『変わらない日常』
毎朝の日課とも呼べるほど恒例となっている寝起きの僕弄りも終わってちゃんと目が覚めると時刻はちょうど6時になっていた
少し早めの起床だがこれにはちゃんと理由がある
「へへへ、兄ちゃん兄ちゃん!今日ボクが焼いた卵焼き凄くいい出来なんだよ?」
「へーそれは楽しみだな。今日のはだし巻き?それとも甘いやつ?」
「甘い方!でも兄ちゃんのお弁当に入れる分はだし巻きにしておいたよ!」
「ってことは今日は両方食べれるのか。お弁当も楽しみだなー」
「朝ごはんもまだなのにお弁当が楽しみだなんて食いしん坊だね兄ちゃんは」
「それだけユウキたちのご飯は美味しいんだよ」
という会話である程度お分かりかと思うがうちの朝食はユウキ、アイコ、スグの3人が作っている
これはスグのお母さんである翠さんの「お世話になるんだから朝食作りのお手伝いをしてみたら?(花嫁修業にもなるわよ!)」という提案によるものだ
ちなみに最後の言葉でスグたちの目付きが変わったんだが翠さんは何を言ったんだろう?
最初はうちの母さんの手伝いだったんだが一年も経つと料理の腕がぐんぐん上がって今では朝食は完全にこの3人に一任している
それと中学入学と同時に弁当持参となった俺のためにも1人2品ずつおかずをいれて作った弁当を用意してくれる
なんて話していたら居間の方から美味しそうな味噌汁の香りが…
「やぁ、おはよう兄さん。もう準備は出来ているから少し待っててくれ」
「おはようアイ。今日も朝からお疲れ様」
「好きでやっているんだから疲れなんてないよ。なんたって兄さんに美味しいって言ってもらえるのが一番嬉しいからね」
とこんな感じにクールかつボーイッシュな印象を受ける少女こそ原作ではあまり語られなかったユウキの姉、アイコである
原作ではアスナと少し似ているなんて描写されていたがやはり育った環境が違うせいか全然アスナとの共通点がない
そして彼女は所謂オタクという属性を持つ女の子であり今のボーイッシュ口調も
「現実にはこんな口調の女の子はあまりいないだろう?つまりキャラが立ちやすいんだよ」という経緯で今に落ち着いている
「そうだね、兄さんがどうしても日々のお礼をしたいというなら今日の夜一緒にお風呂に入ってくれればいいよ」
「……年頃の女の子があんまり冗談言うもんじゃないよ。もうお前も中学生になるんだからいい加減僕離れをだな…」
「安心してくれ。私が…いやこの際私たちが兄さんから離れるということはないさ」
「そう言ってくれるのは兄貴分冥利に尽きるんだけどね…」
「おーい兄ちゃん、姉ちゃんー。ご飯冷めちゃうよー」
「だそうだ兄さん早く食べよう。今日も生徒会の仕事があるんだろ?」
「あぁ、そうだね…何となくはぐらかされた気もしなくはないけど」
「ふふ、そこは想像に任せるよ。あ、でもエッチな想像はしちゃ駄目だよ?想像するくらいなら私がなんとかしよう」
「なんでお前はそういう方向に話が行くんだ!」
どこで教育を間違ったんだろう?
「行ってきまーす」
「「「行ってらっしゃーい」」」
可愛い妹分たちの見送りに手を振りながら最寄りの駅までランニングしながら向かう
本来ならスグたちの通う小学校の近くの公立中学に進学するはずだったのだが…
こういうのもなんだが小学校の勉強って簡単なわけで。それで良い成績を修め続けていたら現在通う私立から推薦が来たのだ
別に近くの公立でも良いかなぁ…なんて考えてたので断ろうかと思ったのだが、うちの小学校の校長が泣いて受理してくれと頼んできたので半ば流される形で私立へと入学した
ピッと改札機に定期をかざしホームに入る
すると百メートルほど先に見慣れた後ろ姿を発見した
ここらへんで一番可愛いと評判のうちの中学の女子制服に身を包み、腰まで届くライトブラウンの髪を揺らすその人――
「おはようございます。明日菜先輩」
「あっ、おはよう朱音くん」
結城明日菜さんは俺に向かって見惚れるほどの笑顔をプレゼントしてくれた
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━昨日は更新出来ず申し訳ありませんでした!言い訳になりますが私も高校生なので平日は少しばかり更新が疎かになることがあります。ですが休日は必ず更新するのでご容赦下さいm(__)m。それでは今回の話について!ストーリーが全く進んでない(@ ̄□ ̄@;)!!でもここでアスナにフラグを建てていないと後々のストーリーに影響が…。そんな感じで日常編がぐだくだと続くわけで…。早くアインクラッド編やりたい!それとこの小説が前日ランキングで一位に輝いていました!読んでくださってありがとうございます!これからも黒の剣舞をよろしくお願いします!