小説『ソードアート・オンライン―黒の剣舞―【凍結】』
作者:バイタリティ()

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失いたくないと願うモノが増えていく

それを護るということはとても大変で―


とても素敵なことだと思った



5話『朱音の学生生活』

「おはようございます。明日菜先輩」


「あっ、おはよう朱音くん」



朝の駅のホームで出会ったのは僕が通う中学の2年生、結城明日菜先輩

言わずと知れた原作でのメインヒロインである


「ところで先輩、何でこんな早くから駅にいるんですか?早すぎませんか?」
そう言って自分の腕時計をチラッと見ると時刻は6時48分
学校に行くのはいささか、いやかなり早い時間だ

「うーん、それは何処かの誰かが朝早く登校して生徒会の仕事をしてるからかな?」

してやったり、といった顔で僕を見る先輩

ここで少し説明、朝のアイコの会話に登場した生徒会という単語から分かるように僕は生徒会に所属している
しかし放課後にとある予定がある僕は放課後の生徒会の仕事を朝早くに登校することによって消化している
そしてそれを指摘する彼女は―


「でも迷惑かけているのは俺の方ですから。それくらいさせて下さい会長」


「もうっ、その会長っていうのは止めてって言ってるでしょ?」

そう、彼女は僕の中学の生徒会長なのだ
僕が生徒会に入ったのも明日菜先輩に誘われたからだ

「それに君は昼休みも生徒会の雑務をやってくれてるでしょ?正直な話やり過ぎなくらい働いてくれてるよ?だから今日から私が手伝いに来たの」


「そんな、悪いですよ。せっかく誘ってもらったんですからちゃんと役に立ちたいんです。だけど今は放課後に予定が入ってますから他の時間で埋め合わせをしなきゃ他の役員に顔を会わせられませんし」


「もう、真面目なんだから。でも君のそんな所――――だよ『ビィイイイイ!電車が到着致します。黄色の線までお下がり下さい』」

電車の到着を告げるアナウンスと重なり先輩が最後に何を言ったのか上手く聞き取れなかった

でも少し朱に染まった頬で満足そうに微笑む先輩を見て僕は追及することを忘れ少しだけその微笑みに心を奪われた












キーンコーンカーンコーン…

何ともテンプレートなチャイムは授業の終わりを告げると同時に昼休みの始まりを告げる

僕は可愛い妹分たちお手製のお弁当と財布を持ち教室を出る
途中クラスメイトたちからのランチのお誘いを受けるがやんわりと断り目的の場所である生徒会室に向かう

生徒会室は僕たちが普段勉学に励む教室棟に隣接する特別教室棟に存在する
その二つの棟を繋ぐ渡り廊下にはこじんまりした休憩スペースがある
そこに設置された自販機で食後に飲むためのカフェオレと先に生徒会室にて僕を待っているであろう人のためにミルクティーを購入する
ちなみに今は11月なのでホットだ


ガラッ、と音を立てながら生徒会室に入ると案の定その人はいた

まぁ、その人っていうのが明日菜先輩だというのはご想像に固くないと思うが

「結構早く来たね朱音くん」



「僕より早く来ていた会長に言われても褒められた気がしませんよ」


「2年生の教室はここに一番近いからね。早く着くのは当然だよ」

そんな勝ち誇った顔で言われても…でも少し子どもっぽくて可愛いかもなんて思ったり

「あっ、これ先輩いつものです」

と言いながらブレザーのポケットに入れていたホットのミルクティーを渡す


「いつも悪いね。今度は私が…」


「いや、先輩はしなくても良い僕を仕事を手伝ってくれてるんですからちゃんとお礼させてください。まぁ、お礼といってもこれくらいしか出来ないですけど…」


「ううん、私は朱音くんが買ってきてくれるこの暖かいミルクティー…好きだよ」


好きだよ―その言葉には別の意味が含まれているような気がしてドキッとした

まぁ、そんなことはないんだろうけど………………ないよね?


「さぁ、パパっとお弁当食べてお仕事するよ。お昼休みは短いんだから!」


「あっ、はい!」


さて、今日のノルマを片してしまおう












キーンコーンカーンコーン…


またまたテンプレートなチャイムで今日の学業が終わる
本来ならばこの後に生徒会に行かなければならないのだが僕の多忙なスケジュールはある用事で埋まっている




急いで駅まで向かい家とはさらに反対方向の電車に乗り込む


約30分ほど電車に揺られるとそこは都心から少し外れた街がある
慣れた手つきで改札を抜けて駅からすぐのとある会社を目指す


駅から15分ほどで目的地につくとバックから身分を証明する発行パスを取り出す
まぁ、ここ2ヶ月通い詰めているので受付のお姉さんも僕が来ると誰に用があるのか分かっているようで僕が用件をいう前に「許可が出ていますのでどうぞ。頑張ってね」とウインク付きで歓迎してくれた


そこからはもう慣れたもので、あっさりと目的の部屋まで辿り着いた


ギィ…
重厚な扉を開けて部屋に入るとそこにはディスプレイを見ながら考え込む若い男性が1人


「こんにちは、今日もよろしくお願いします




茅場さん」



その若い男性が後に世界を震撼させるVR-MMORPG『ソードアート・オンライン』の開発者―茅場昌彦という天才なのだ




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━主人公の口調を変えてほしいという案が出ましたがアインクラッド編になると変化すると思うのでしばらくお待ち下さい!てか結局ストーリーが進んでいないという現実…でも今回はアスナをたくさん出せたので良かったです!ちなみにアスナはまだ完全に朱音くんに惚れていません。まだ好きかもといった弱い好意です。まぁ、それはアインクラッド編が始まれば確固たるものになるわけで……てな感じで次回も頑張ります!コメントお待ちしてます!
※5ページに記載していたキャラ設定は削除しました。あの設定は忘れて頂くと幸いです

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