木造の古い家。
台風がきたら壊れてしまいそうな。
大雨になったら雨漏りするのでは。
そんな家だった。
ハルカが家をじっと見ていると、トモさんが手招きしていた。
「暑いしさ、早く入ろう。」
いくら夏の終わりといえ、まだ日差しは暑かった。
「じゃあ……おじゃましまーす。」
小さな声で挨拶をして入る。
恐る恐る玄関をまたぐと、向こうでテレビの音がした。
人がいたのか。
家族の方には挨拶は聞こえたのだろうか。
とりあえず靴をそろえて端っこに置く。
「こっち、階段急だから気をつけて。」
見るととても急な階段があった。
ハルカは最初は足で上っていたが、最後には手も使って上っていた。
「ふぇ……これ急ですね。」
気をつけないと落ちてしまいそうだった。
くだりはもっと危ないだろう。
「まぁ慣れたら普通だけどな。」
そういいながらトモさんは扉を開けた。