「大丈夫?」
緊張しているのがトモさんにもわかったらしい。
「はい、もう大丈夫です。会うまで緊張するけど、会ったら平気なので。」
多少まだ緊張は残っていたが、さっきほどではない。
隠せる程度である。
「じゃあ行こうか?」
「どこに?」
カラオケか?でも約束はしていないような。
「オレの家さ。ネコいるんだけど。」
まさか初対面で家に上がるとは思わなかった。
しかし、ここまで来たら逃げられないことは明確だった。
「ネコいいですね。ネコさんとお友達になりたいです!」
そう答えるとトモさんはくるっと向こうへ歩き出した。
ハルカは後ろを追いかける。
割と高めな身長。広い肩幅。
こうやって見ると、男性なんだと意識してくる。
会話のないまま、トモさんの後ろをついていく。
しかし、会話がないとさすがに辛いものがあった。
「あの!ネコさんは何歳なんですか?」
なんとか会話を作り出す。
それから無言は終了し、気が付くと家の前にいた。
「ここがオレの家。」