トモさんの後を追って部屋に入ると、そこはまさにカオスの世界だった。
壁にはたくさんのポスター。
棚には大量のCDやDVD。
ずっとしきっぱなしであろうお布団。
押入れはさらに物が詰まっていて、表現し難い。
「適当にさ、そこの座椅子座って。」
ハルカは指差された先の座椅子にちょこんと座った。
まじまじと部屋を観察してみる。
観察すればするほど、いろいろなものが目に写る。
「あまり見んなよ。汚いの知ってんだから。」
笑いながらそう言って、トモさんは布団の上にあぐらをかいた。
手をポンポンと叩いてきよえさんを呼ぶ。
きよえさんは嬉しそうにトモさんの足に頭をすりつけた。
「本当にネコってかわいいですね。うち犬飼っているんですけど、犬とは違うかわいさがあります。」
あまりトモさんに近づくと、食べられるかもしれない。
きよえさんに触れたい気持ちを抑えつつ、沈黙防止のため話題を振った。