小説『うつ病の彼とヤンデレな私。』
作者:どくたけ()

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そっぽを向いてそうつぶやいた。

「じゃあさー、付き合えばいいんじゃん。」

「初対面の人とはつきあえませーん。」

クルリとトモさんのほうへ向き直り、あっかんべぇーとしてみる。

そして二人で笑いあった。

「お前本当に面白いわ。」

「そうですか?私もトモさん面白いとおもいますけど?」

初めて会った数時間前とは空気が違った。

穏やかな夏の午後だった。

ハルカの緊張もだいぶ解けて、自然な笑顔だった。

そういえば、こうやって笑うの久しぶりだな。

大学ではいつも無表情だった。

人との会話はほとんどなかった。

そのためいつも暗かった。

「トモさん、ありがとうございます。」

私とこうやってお話してくれて。

こんなに楽しい気分にさせてくれて。

心からの感謝だった。

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