急に感謝されて、よく状況がつかめていないトモさんだった。
「よくわからないけど……、じゃあハグくらい許せ。」
「はっ!?それ関係n……」
目の前には白いTシャツ、トモさんのものだった。
左手でハルカの背中を、右手で頭を包んでいた。
ほのかに香りがするのは、部屋にある香水のどれかだろう。
こういう場合はどうすればいいの?
嬉しさと驚きが頭をぐるぐるする。
とりあえず両手をトモさんの背中に回して、少しギュってしてみる。
するとトモさんの力が強まった。
「いい匂いするな、シャンプーか?」
頭の上から声がする。
そして愛おしそうに頭をなでられた。
「えっとたぶんそうです。美容院のやつ使っているので。」
「だからこんなにサラサラなのか。」
おそらく頭の近くに顔があるのだろう。
頭に鼻があたっている。
「もうっ……恥ずかしいからやめてください!」
本当は離れたくない気持ちもあったが、ハルカはそう言った。