小説『うつ病の彼とヤンデレな私。』
作者:どくたけ()

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「そんなこと言いながら、本当は離れたくないくせに。」

ニヤニヤした意地悪そうな顔で聞いてくる。

「いやいや!マジですっ本当と書いてマジって読むんです!!」

首をぶんぶん振りながら、必死に答えるハルカ。

これ以上くっついていたら、さらに何かされるじゃん!?

初対面の人に唇を許すとか、乙女としてありえないから!

ってかそもそもハグ自体許せないけどさ。

頭で混乱していても、トモさんの腕の力は弱まることはなかった。

でも……さすがにもう離れないとやばい。

そう思って顔を上げたときだった。

「本当に離れたいのか?」

少し低めに抑えた声で聞かれた。

冗談ではなく、本気で聞いているような。

思わずその声にドキッとしてしまった。

「え?あっ……。」

声が出ない。

放してと言うつもりだったのだけれど。

心が拒否しているからだろうか。

するとトモさんはハルカの顔に手を添えた。

そしてゆっくりと顔を近づけた。

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