小説『うつ病の彼とヤンデレな私。』
作者:どくたけ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

ゴン!と鈍い音がした。

「うあぁぁ……トモさん石頭です。痛いです。」

おでこをさすりながらハルカが言った。

「それはこっちのセリフだよ!くそう拒否られちまった。しかも頭突きで。」

こちらもおでこをさすりながら答える。

「拒否権を発動する!パス1だ!」

ビシっとトモさんを指差しながらそう言い放った。

「だー!わかった!もうしないから。それより何か見ようか。」

そう言って本棚のDVDを適当に漁った。

ハルカも棚へ目をやる。

だいたいが洋画のだった。

知っているタイトルや、見たことのあるタイトルも多い。

「これならグロやホラーないし、見やすいだろ。」

と言って、トモさんは一本の作品を取り出す。

アクションもののようだ。

初めて聞いたタイトルだけど。

「はい、あたしは何でもいいですよ。」

キスやハグされないなら、なんだっていい。

というのが本音だった。

-19-
Copyright ©どくたけ All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える