映画を見始めてからは、何もなかった。
ハルカの警戒心を感じていたからだろうか。
二人できよえさんをいじりながらツッコミを入れたり、映画を楽しんでいた。
一通り見終わると、もう夕方だった。
「あ、そろそろ帰らないとですね。」
時計を確認してみる。
そして時刻表を取り出して、一番乗りやすい電車の時間を探す。
ちょうど今から20分後くらいに出る電車があった。
「これで帰ろうかなー。」
と言って、トモさんに電車の時刻を伝える。
「そうだな、じゃあ余裕見て今から向かうか。」
トモさんが立ち上がったため、ハルカも急いで帰る準備をする。
カバンを持って、忘れ物がないか確認する。
「きよえさん、今日はありがとうね。」
そしてきよえさんへの挨拶も忘れない。
頭をなでると、嬉しそうに目を細めてくれた。
「ほら、行くぞ。」
「あっ、はーい。」
そしてトモさんの後ろを追った。