大学の最寄駅からトモさんの家の最寄駅までは15分。
いつも通学に1時間近くかかるので、この15分は短い。
電車に乗り込み髪を整える。
トモさんはロングのサラサラが好みらしい。
「この前切らなきゃよかったな。」
髪をとかしながらそうつぶやいた。
あまりに枝毛がひどかったため、切ってしまったのだ。
髪の毛を眺めながらこれからのことについて考える。
この前は頭突きで乗り切ったが、今回もうまくいくのだろうか。
それとも今回は蹴りをいれようか。
そんなことを考えていたら、いつの間にか駅は目前だった。
重いような軽いような、そんな複雑な腰を上げる。
そして指定されている出口へと向かった。