「あっお久しぶりです!」
少し緊張した面持ちで挨拶した。
トモさんは軽く手を上げる。
そして歩きだした。
どうやら今日も家に行くようだ。
トモさんの後ろをついていく。
「もう田んぼも色ついてきましたね。」
やっぱり無言は耐えられない。
これから話を広げよう。
トモさんの家までの5分、適当な話題で無言をなくす。
話していると、この時間は意外と短い。
気がつくともう家の前だった。
ふと二階へ目をやると、きよえさんが窓からこちらを見ていた。
「おーい、きよえさーん!また来たよー。」
きよえさんに向かって手を振っていると
「お前アホみたい。」
と笑いながらトモさんがこちら見ていた。
「きよえさんへの愛のこもった挨拶です!」
ほっぺたを軽く膨らましながら抗議する。
「はいはい。わかったから、入るぞ。」
そういって家に招かれた。