「ふっもう同じ手には乗らない!」
ハルカの頭はトモさんの手で押さえられていた。
どうやら前回が本当に痛かったようだ。
「ちぇい!まだまだです!」
キッとトモさんを睨む。
どうする?
今は座っているため、足を出すことは不可能だ。
ならば……と右手を上げる。
そのとき、ふと昔を思い出した。
元彼とドライブをしたあの日。
「なぁ、眠くなってきたから、ちょっとビンタして目覚ませてくれないか?」
「え?うん、いいよー。」
バチン!
「ちょ!それ本気で叩いただろ!?」
「え!?全然本気出してないよ!」
ハルカのビンタは力を入れなくても痛いらしかった。
ハルカの右手、目指すポイントはトモさんのほっぺた。