「待って!今のナシ!!」
真っ赤な顔でハルカは言った。
言わないつもりだったのに!
「いや、それはもったいない!」
こちらも真っ赤な顔で、しかしうれしそうに言うトモさん。
きよえさんはいつの間にかどこかに消えていた。
まるで「ジャマ者は消えますよ」というかのように。
「違う、別に付き合おうとか、そんな気はないんですよ!うん!」
あああぁぁぁとか奇声を上げながら、ハルカはそう連呼していた。
そのとき、ポンと肩に手が乗っかる。
トモさんの手だった。
「もうお前の気持ちはわかった。
もう一回言うから。
好きです、付き合ってくれませんか?」
もう頭突きもビンタもない。
後ろに引ける状態でもない。
「……はい。あたしもトモさん大好きです。」