頭の上の手を、ハルカはパシリと払いのける。
「お前なにするんだよ。」
「いやっあの、その……うん」
問いかけるトモさんに対して、ハルカは言葉になっていない。
触れてほしい、けど恥ずかしいんだ。
「もう付き合ってるんだ。抵抗するなよ。」
そう言ってもう一度手を伸ばす。
しかし、その手もハルカによって払いのけられた。
「スミマセン、反射です。」
「ちょ、お前手縛るぞ!」
「縛れるなら縛ってみてくださいよー。」
冗談で言ったつもりだった。
「オレ手錠持ってるけど?」
「……ごめんなさい、手錠かけないでください。」
さすがに手錠は怖かった。
「はい、じゃあ抵抗しないことだ。」
そう言って、トモさんはハルカを抱き寄せた。