お互いコーヒーを飲んでいたせいか、なんとなくコーヒーの味がした。
たとえ薄味でも、キスの味には影響があるようだ。
そう思った瞬間、ハルカの口が無理やり開かれた。
……このタイミングでですか?
ハルカの口を開いたのは、トモさんの舌だ。
その舌はゆっくりと、しかし激しくハルカの口の中を触ってくる。
「んくっ……。」
ハルカは思わず声をあげてしまう。
その声を聞いて、トモさんはハルカを強く抱きしめた。
同時に舌の激しさも増す。
もう、これ以上は……ダメ。
思考が飛びそうになった瞬間、トモさんの顔が離れた。
「これ以上やってたら、今夜返さなくなりそー……。」
トモさんの顔も少し赤かった。
「それはダメです!さぁ帰りますよ。」
そう言って、二人は玄関を出て駅へ向かった。