あいかわらず、トモさんからの押しは強い。
ハルカはやんわりとそれを断っていた。
それが破られたのは、夏も終わりごろの水曜日のことだった。
実はハルカは大学生である。
平日は毎日遅くまで授業や実験が入っていた。
しかし、その水曜日は午後が放課になることがあるのだ。
そして、今日はその午後が放課な日であった。
クラスメイトは楽しそうに話しながら下校している。
ハルカは一人ベンチに座りメールを打っていた。
[今日は午後お休みなんですよ。ラッキーです。
これから家帰るのももったいないし、カラオケでも行ってきます。]
トモさんにメールを打ち、とりあえず駅に向かう。
大学の敷地を出たあたりで、メールが来た。
[そんなにヒマなら、カラオケより俺様と遊ぼう?
カラオケ行きたいなら、オレの家の近くにもあるからさ。]