「あ!こんにちわ!あのですね、これ新商品で!」
ハルカは力説した。
「昔こっち食べたんですけどすごく美味しかったんです。
だからきっと新しいのも美味しいですよ!」
トモさんは何事もなかったかのように「そうか、太るぞ。」とだけ言って、お酒売り場へ向かった。
実はトモさんは現在26歳、お酒の飲める年齢なのだ。
ちなみにハルカは19歳の大学一年生、あと数ヶ月で誕生日がきて20歳になる。
大学一年生は18歳か19歳が多いのだが、ハルカは一年浪人したため周りより1つ上なのだ。
「お前何飲む?」
「あたしは一応まだ未成年ですよ。」
「これうまいぞ。」
「へぇ……って度数6%じゃないですか!」
「このくらい弱いだろ。」
「あたし本当に飲み会でもお酒一口くらいしか飲んだことないのに!」
「それもったいないだろ。」
「食べるの専門です。」
「俺昔飲み会で18杯くらい飲んだけど、酔わなかったぞ。」
「一緒にしないでくださいー。」
お酒売り場でこんなやり取りをしている二人は、周りにどんな目で見られていたのだろうか。
あまりにハルカがお酒を飲まないと言うため、トモさんはあきらめたようだ。
「家行くか。」
「はいっ!」