小説『うつ病の彼とヤンデレな私。』
作者:どくたけ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

ペアリングなんて子供の遊びじゃない。

昔指輪をしたカップルを見ながらそんなことを考えていた。

しかし今は違う。

ハルカは指輪をはめてあるトモさんの左手を両手で握った。

窓から入る光が、二人の指輪を輝かせる。

「ありがとうございます。」

ハルカの顔は本当に嬉しそうな顔だ。

それにつられてトモさんの顔もほころぶ。

そして右手でハルカの顔を自分のほうへ引き寄せた。

そのまま唇を自分の唇へ向けた。

ハルカは抵抗する素振りもなく、トモさんに身をゆだねた。

そしてハルカは手を離し、トモさんの背中へ向ける。

トモさんも両手をハルカの背中にやり、ぎゅっとハグをした。

ーーーもうオレ限界来てるんだけどな。

腕の中のハルカは愛おしい。

もう二度と離したくない、そう願ったときだった。

トモさんの中で何かが切れた。

-70-
Copyright ©どくたけ All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える