ペアリングなんて子供の遊びじゃない。
昔指輪をしたカップルを見ながらそんなことを考えていた。
しかし今は違う。
ハルカは指輪をはめてあるトモさんの左手を両手で握った。
窓から入る光が、二人の指輪を輝かせる。
「ありがとうございます。」
ハルカの顔は本当に嬉しそうな顔だ。
それにつられてトモさんの顔もほころぶ。
そして右手でハルカの顔を自分のほうへ引き寄せた。
そのまま唇を自分の唇へ向けた。
ハルカは抵抗する素振りもなく、トモさんに身をゆだねた。
そしてハルカは手を離し、トモさんの背中へ向ける。
トモさんも両手をハルカの背中にやり、ぎゅっとハグをした。
ーーーもうオレ限界来てるんだけどな。
腕の中のハルカは愛おしい。
もう二度と離したくない、そう願ったときだった。
トモさんの中で何かが切れた。