向かった先はホテル街だった。
「ちょっと!なんでこんなところに!?」
「暴れないでよ、事故っちゃうよ。」
男性はハルカを制しながら、ホテルへと入る。
ハルカは緊張と恐怖しかなかった。
「オレもハルカちゃんの話ゆっくり聞きたいし。
ホテルなら二人きりでゆっくりお話できるでしょう。」
そう言って男性はハルカの手を引きながら入室した。
中は意外と普通だった。
男性はハルカをソファーに座らせ、自分も隣に座る。
ハルカはなるべく男性と距離を取ろうと、端っこに寄った。
しかし男性もハルカに近寄っていく。
「来ないでください!」
そう手をあげたときだった。
男性はハルカの手をとり、ソファーへ押し倒した。
その後のことなんて覚えていない。
思い出したくもない。
覚えているのは、全て終わって帰ったあと。
男性にメールを入れようとしたら、受信拒否されていたことだった。