小説『Replay』
作者:カズィー()

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家に着いた。二階へ上がり自分の部屋に入る。ベットに寝転がって「今日」の事を考える。本当に何が起こったのか分からない。もしかしたら「今日」は夢だったのかもしれない。そして正夢になった。と、そう思うしかない。そうしないとおかしくなりそうだ。
「はぁ」
目を閉じる。忘れよう。竜崎は死んでない。これが現実なんだ。
【ブルルルルルルルルルル】
携帯が鳴る。友達からだった。
「もしもし。どうしたんだ?」
「裕太。落ち着いて聞けよ」
「あぁ」
「竜崎が……」
「え!? おい! 竜崎がどうしたんだ!」
「死んだ……。殺されたんだ。家の前で」
「…………そんな。誰に」
「分からない。通り魔かもしれないって……警察が」
そのとたん。また急激なめまいに襲われた。
(そんな……ま……た)
「裕太! 裕太! どうしたんだ! 大丈夫か!」
 また暗闇に墜ちた。二回目の暗黒の空間。もう何が何なのか分からない。
「今日を、またやり直したいか」
聞き覚えのある声。この空間は、本当に僕が作り出した「夢」なのか?
歯車はまだ、止まったままだ。

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