小説『Replay』
作者:カズィー()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

待っている時間ほど長いものは無い。20分程の時間でも長く感じる。ついつま先で地面へ何度も叩いてしまう。かといってベットに寝転んだら二度寝してしまいそうだ。
(遅刻寸前って案外難しいんだな…)
 普通、遅刻をしないようにすることが難しいはずなのに。その逆なんて…。両親が無関心の子供ってみんなこうなのか?時計をちらっと見る。後15分。
 「長いな…。あ、朝食食べてなかったんだ」
 今頃気づいた。別に食べて無くても死にはしないけど時間つぶしついでに食べようかな。
 一階へ下りる。いつも通り、スクランブルエッグに食パンと牛乳だ。
(まぁ朝なんてこれで十分だろう)
 テレビで出てくるような塩鮭と味噌汁とご飯なんて、そんなまんまな和食なんて多分あまり無いだろう。豪華だとか手間がかかる云々の話じゃない。単に朝には食べにくい。それだけだろう。あくまで僕の意見だけど…
 時計を見ると後二、三分と言ったところだ。
「出ようかな」
 食べ終わった後の皿とコップを台所へ運んで歯を磨く。朝はあんまり丁寧には磨かない。
 家を出た。歩いて行けばギリギリ遅刻しない程度の時間だ。これなら今日は少し変わるはずだ。僕が遅刻しようがしまいが変わるのはわずかな変化だろうけど。

-14-
Copyright ©カズィー All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える