小説『Replay』
作者:カズィー()

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「おっせーぞ! 裕太!」
聞き覚えのある声。というか毎日聞いている。
「何で竜崎がここに居るの?」
「聞かなきゃわかんねぇのか?」
「思いあたる節がないね」
「話しても良いが、長いぞ?」
「どうせ時間のかかる通学路だし」
「そうか。それもそうだな」
「で?」
「何か会いたくなった」
「で?」
「……? それだけだが?」
「そんなお約束なパターンだとは…。突っ込まなくちゃいけないの?」
「そんな寂しいこと言うな?。ありがちパターンは逆に予想できないだろ」
「そういうのもあるけど、まさか竜崎が言うとはね」
「ほらな。予想外だろ?」
「はいはい。一本取られましたー」
「くっ。腹立つなお前」
「ありがと」
「それより、理由に何か感じないか?」
「何か会いたくなった?」
「あぁ」
「別に?」
「おい! 会いたくなったんだぞ? 俺がお前を求めたんだぞ!」
「そんな真顔で気持ち悪い事言わないでよ!」
「冗談に決まってるだろ。俺にそんな趣味はない」
「よかったよ。僕はどんな奴と友達なのかと一瞬疑問を覚えたよ」
「そんな事で俺たちの友情は崩されるのか!? 俺たちの築いた友情は何だったんだ! 今までの時間は何だったんだぁぁぁぁぁぁ!」
「熱いよ。っていうか大丈夫?」
(やっぱり変わるのか)
 やはり僕の行動で竜崎の行動は変わった。そんなこんなで話をしているとあっという間に学校に着いた。じゃあ、と言って入り口で別れた。学校でもいろいろ変わるだろうけど、まぁ気分次第で変えようかな。そんな気楽な気持ちで教室に入った。何人かに挨拶されて、挨拶を返す。席にすって鞄や勉強道具を片付け、一段落ついたところでチャイムが鳴る。

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