ホームルームが終了し、校舎を出た。竜崎と合流し、国道まで適当に話をする。学校の終了時間にやはり狂いはない。5分前後の違いしかない。外は薄暗くなって夕焼けがさしている。国道に着いた。
やはり事故は起こりそうになった。竜崎の背中をつかみ危機一髪で避けることが出来た。
サイキック裕太の話はやはり勃発した。止め方が同じだと竜崎のリアクションも同じになった。と、いうことは通り魔は必ず現れるという事だ。同じ流れで竜崎と別れるが、竜崎に気づかれずに付いていくことにした。まさか漫画のストーカーのように電柱に隠れる事になろうとは…。横では猫にぶつからないために止まろうとする車のブレーキ音がする。
竜崎は僕に気づく様子はなく角に消えた。
(ここだ、ここからだ。今日を変えるのは)
竜崎の家は道路沿いにある。角を曲がった先にある。竜崎の家までは塀に囲まれた道となっている。おそらく通り魔は竜崎の家の前の左右の分かれ道から現れるのだろう。ならここで止めなくてはいけない。
「りゅ、竜崎!」
竜崎は不思議そうな顔でこちらに振り向いた。
「裕太か? どうしたんだ?」
「あーいや、ちょっと話したい事があるんだ」
「そうか。何だ?」
「いや、ちょっとこっちに来てくれないかな」
「…? まぁ良いが」
竜崎がこっちにやってくる。不満そうな不思議そうな顔で。