小説『Replay』
作者:カズィー()

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日もまた学校か……。ま、当たり前か)
 裕太は着替え終わると、階段を一段一段踏みしめながら下りていく。一階に足を付けるとそのまま台所に行く。両親はまだ寝ている。裕太にはそれが当たり前だった。自分に無関心な両親は何もしてくれなかった。食パンをテーブルに置き、裕太は卵を取り出しスクランブルエッグを作る。できあがると皿に盛りつけ、冷蔵庫から牛乳を取り出しテーブルに置く。それがいつもの朝食だった。
 朝食を食べ終わると、裕太は家を出る。時間に余裕はあるが、家に居ても何も無いため、いつも早出だ。
 裕太の通う山東高校は家から歩いて15分程度の所にある。自転車は使わなかった。特に理由があった訳じゃないが、歩いて行く方が、なんだか落ち着いていた。空を見上げたり、季節を感じたり。そんな何となくな行動が朝は楽しかった。
 今日も歩いて登校していると、校門の近くで声をかけられた。
「おっはよ?! 今日も良い天気だな!」
「おはよう竜崎。今日も朝から元気だね」
「フッ。まぁな」
 そう言ってニヤける。
 彼は竜崎弘(りゅうざきひろむ)。幼稚園の頃からずっと同じ学校で、同じ時間を過ごしてきた幼馴染みだ。しかし、竜崎の方が学年が1つ上で、高校3年生だ。そのため僕は竜崎を兄のような存在だと思っている。頼りになり、一緒に遊んでも飽きなかった。そんな 竜崎と出会ったのは僕が幼稚園の頃だった。

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