小説『Replay』
作者:カズィー()

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僕の本当の両親は僕を産んでから事故で死んだ。生後間もない僕を今の両親が引き取ったそうだ。親戚、だそうだが詳しいことは聞かされてない。特に聞く気も無かった。真実とか関係なんてどうでもよかった。今の両親はパチンコや酒、タバコに溺れ、その日に帰ってくるか帰ってこないか、そんな不安定な不良のような生活……いや、不良なんだろうけど。そんな生活ばかりしていた。自分に無関心なのもそのせいだ。そんな親に呆れて、ある日自殺を決意した。そして家から出て走った。特にどう死のうかなんて考えて無く、走り回っていた。疲れて息を切らしていると、手を捕まれた。それが竜崎の手だった。
「何してるんだ! そんなに走って」
「別に関係無いだろ!」
「まぁそう怒るなって。そうだ! 俺と遊ぼうぜ!」
 そう言って僕の手を強引に引っ張った。それから僕は嫌々だが竜崎と遊んだ。でも遊んでいる内に何だか楽しくなってきた。それから自殺しようなんて思わなくなった。それどころか、竜崎と遊んでいる内に自殺なんて馬鹿らしくて笑えるぐらいだった。竜崎は幼稚園に転校してきた。町に来た日に僕と会ったらしい。それから僕は竜崎と同じ学校に入学するようにし、今の高校までやってきた。僕が中学生の時、不良達にからかわれてる時も竜崎はいつも教室まで来て助けてくれた。馬鹿達が竜崎を数人で攻めた後、竜崎は傷ついた顔で笑って言うのだ。
「俺ってけんか強いだろ?」
 のんきにそうやって、大丈夫だ。って事を僕に伝えてくれた。竜崎ほど頼りになる奴はいないな。そう思った。

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