小説『Replay』
作者:カズィー()

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それから竜崎が死ぬまでの「今日」を検証してみた。そして、時間が戻ったということにさらに確信が持てた。授業の内容、友達が話しかけてくる話題、不良が先生に行う授業妨害、校門を出て話す竜崎との会話。覚えてる限りの事が全て同じだ。覚えてる限り「今日」と同じ事をする自分にも少々疲れたけど、これからが問題だ。「今日」と同じということは竜崎の死も同じということだからだ。
「なぁ」
「何?」
「アニメとかで特徴出すために目を閉じてるキャラいるだろ?」
「あぁ、いるね」
「視界の確保はどうやっているんだろうな」
「そこは疑問に感じたらいけないところなんじゃないかな?」
「そこをあえて追求するから面白味があるんじゃないか」
「まぁそうかもしんないけど」
「だろ? じゃあ意見を言ってくれ」
「えーとね。実は見えてないとか」
「おいおい。それは無いだろ。お、待てよ。まさかそんなサイキック的な力もキャラの特徴なのか? なら他に何か使えないのか? 念力とか使えるのか!?」
「そんな光が渦巻いてる目で言われても知らないよ」
「んだよっ! そこまで考えずに見えてないとか言うなよ!」
「それって僕が悪いのかな」
「無駄に期待しちまったぜ。全くよ?」
「竜崎はどう思うの?」
「あれな、半開きなんだ。書く人が、間のわずかな線を二本書くよりいっそ一本にしようってことになったんだ。どうだ? それっぽいだろ」
「えー」
「どした?」
「それっぽ過ぎるよ?。竜崎ならもっと非現実的な事言うと思ったのに。そんな小学生に言ったら信じ込ませることができるような現実感あふれる予想をされても。」
「悪いか! 俺だってたまにはまともなんだよ!」
「たまにって付けるとこが偉いね」
「フッ。ありがとな」
(褒めてないよ)
 あまりに自然な流れのため忘れていたけど「今日」はこんな会話しなかった。なんで変わるんだ。やはり「今日」は絶対同じというよりも、会話や行動によって変わるんだ。なら僕は完全に「今日」を再現できてないって事か。できていたら無いはずの会話はしない。

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