小説『とある東方の弦楽器』
作者:のださん(のださんさんのマイページ)

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第十話 紅魔館 part3
十五分前・・・・・
Side命切

「さて・・・」

私、命切は紅魔館の主、レミリアに追い出され帰ろうとしているのだが

「ここどこ?」

恥ずかしいことに館の中で迷子になっていた。

「ん?」

たどり着いたところは。

「地下室?」

そうだ、我ながらいい事を思いついた。

この地下室に人はいるだろうからその人に出口を聞いてみようではないか。

ギィ「失礼しまーす・・・」

「あなたは誰?」

そこにいたのは、金髪で小柄な少女。

「俺はモンラッテ・命切っていうんだけど」

「私はフランドール・スカーレット、フランって呼んでね」

「よろしく、フラン」

グチァ
俺が一歩踏み出したとたん俺は何かを踏んだ。
部屋に充満する血の臭い。

「ねえ、あなたも『遊び道具』?」

「どういうことだ?」

「お姉さまが言ってたの」

お姉さまとはさっきのレミリアのことだろう。

「この部屋にたくさんの『遊び道具』を連れてくる、その人でいくらでも遊んでイイよって」

よく見ると部屋中に原型を留めてない死体が転がっている。

「さあ、遊ぼう」

そうか理解した。ここはあのレミリアが何も関係のない人を連れてきてこの
フランとかいう子が人を殺す。

そして俺はそんな犠牲者の一人にされるのか・・・・

ふざけるな

俺はヴァイオリンを取り出し構える。
俺の能力は『どんな曲も作曲できる程度の能力』と『どんな曲も弾ける程度の能力』
結果、『高密度の霊力を扱う曲』を作曲し弾く。

「ただの『霊力柱』」

Sideフラン
お姉さまがまた遊び道具を連れてきた。
ただの人間と思いきや前の遊び道具を見たとたん怖い顔になった。
そしてなにか茶色の物をかまえた。
そのとたん衝撃波が私を巻き上げた。

次にみえたのは胸倉を掴まされているお姉さまだった。

Side命切
やったことはとてもシンプル。
霊力を柱のような形にして下から上に突き上げる、ただそれだけ。
ただ大きさが凄い天井がほとんど崩れ落ちる。
その穴をさっきの部屋まで飛び上がる。
レミリアはこちらを見て目を白黒させている。
だから俺はコイツの胸倉を掴み、聞く。

「あの死体は本当にお前がやったのか?」

sideレミリア
しょうがなかった。
フランの狂気が再発しフランは見境なく人を襲うようになった。
咲夜には大丈夫と言ってあるが、本当はぜんぜん大丈夫じゃない。
だから私は何の関係のない人間の運命を操りフランのところに行かせる。
そんな日々が続いていた。

ある日うちの館に人が来た。金髪で変なケースを持っている人だった。
またいつもの通りこの『遊び道具』をフランのところに行かせる。
けれど今日の『遊び道具』はいつもの通りにいかなかった。
私の目の前にいるのは、フランの遊び道具。
私は胸倉を掴まれている。

「あの死体は本当にお前がやったのか?」

胸に突き刺さる言葉だった。

「えぇ、そうよ」

「なぜ人を殺す手伝いをした。しかも自分の妹に!」

「そうしないとあの子は生きていけない!しょうがないのよ」

「おまえがどんな事情を抱えてるかは知らない、でも人を殺す理由になってたまるか!」

「でも・・・「お姉さまから手を離せ!」フラン!」

フランの手にはフランの十八番(おはこ)『禁忌レーヴァテイン』がある。
あの剣は昔北米神話巨人スルトスが持っていたとされる剣をモチーフにしたもの。
なのにこの人間は

「話の途中に入ってくるな」

開いている方の手でこの剣を掴みへし折った。

「「え?」」

「ボーっとしている暇はないぞ」

そして右足でフランのことを蹴飛ばす。

「フラン!」

「人の心配してる場合か?」

「な!」

「ただの霊力砲」

零距離で霊力が発射される。

私は気絶した。


Side咲夜

「お嬢様!」

私の能力は『時を操る程度の能力』、その名の通り時を操る。
しかし戻すことは出来ない。
でも止めたり進めることができる。
私の戦い方は能力を使い時を止めナイフを投げる。
相手には私が一瞬で大量のナイフを投げるようにしか見えない。
大量のナイフが人間に襲い掛かる。

「なるほど」

しかしあの人間は少しだけヴァイオリンを弾き私のナイフ・・・いやそれ以上の弾幕を出し私のナイフを全てを打ち落とす。

「時間操作か」

私の能力が一瞬でばれる。なぜ?

「おまえ同じ位置に立ってるつもりでいるようだけどかなり動いてるぞ」

「!、でもばれたところでどうと言ったことはないわ」

「そうでもないさ」

「なんですって?」

私の能力をありえないわ!

「咲夜これはなに?!」

「館がボロボロじゃないですか!」

「パチュリー様、中国!」

ここで紅魔館の『動かない図書館』と『働かない門番』がきてくれた。

「あんただれだ?」

「私の名前はパチュリー・ノーレッジ、人の館をここまでボロボロにしたのは貴方?」

「あぁ「なぜこんなことを?」おまえはそこで転がっている吸血鬼は自分の妹に何をさせてたか知っているか?」

「何の話をしているの?」

お嬢様が妹様にさせてたこと?

「こいつは自分の妹に」

次に聞いたのは私にとって最悪の言葉だった。

「人を殺させていたんだ」

私は頭の中が真っ白になった。
今なんていった、お嬢様が妹様さまに人殺しをさせていた?

「そんなの嘘に決まっている!」

「レミィがそんな事をさせるわけがない」

「本人に聞いてみたらどうだ、ほら、起きてるんだろ人殺し吸血鬼」

「お嬢様!」

瓦礫の中からさっき吹き飛ばされたお嬢様がでてくる。

「その男の言っていることは本当よ・・・。私はフランに狂気を収めさせるために能力で関係のない人を呼びフランに殺させていたわ」

「そんな」

「これでハッキリしたろ。コイツは人殺し吸血鬼、俺はコイツを許すわけにはいかない。分かったら引いてくれ俺の技の威力は高すぎるからな関係のない人は巻き込んで怪我させたくない」

確かにお嬢さまは間接的だけれど人を殺した。

それは許されないでも・・・・・でも・・・・・・。

「お断りします」

「私もよ」

「私もです」

「なぜ?」

「人を殺してようが何してようが、私はこの方に一生ついて行くって決めたんです」「咲夜」

「私もよ、親友が人を殺したくらいでこの絆は解けないわ」「パチェ」

「私にはここの門番やるしかないんでね、今度はまじめに戦ってくださいね」

「交渉決裂か、俺を止めるって言うんだったら手加減はしないぞ」

「「「望むところ(です)(よ)!!!」」」

ここから私は今まで体験したことがない戦闘が始まった。

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