小説『死神のシンフォニー【完結】』
作者:迷音ユウ(華雪‡マナのつぶやきごと)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

「うわっ!すごい人の数!」

体育館に入るとその光景に驚いた。・・・まぁむりもない。その広い体育館にひしめくように人がいたのだから。ここにいる人、全員があのアンケートに耐えられた人なのだろうか。それにしてもいろいろな人がいる。子供、大人、男、女、日本人、アメリカ人、フランス人・・・・・・。世界中の死人(ひと)がいるようだ。

「まぁぎりぎり間に合ったみたいだね」

唯はそう言いながらステージのほうを向いた。照火も遠目でステージのほうをみてみると、ステージの上には一人の男がいた。

視力はあまりいいほうではないのでよく見えないが、服装が黒い制服だったのでおそらく死神だろう。しばらくじっと見ていると、そいつがしゃべり始めた。

「さぁて!レディースエーンドジェントルメン!!おれの名前は乱上残雪(らんじょうざんせつ)だ。覚えとけ!」

「・・・・・・!?」

会場の一同はおそらくこう思った。

こいつのテンション、うざい。

場違いなほどテンションの高いその男を見て、会場の一同は呆然としている。唯すらぽかんと口をあけている。

「んじゃぁ、今から二次試験の内容を発っっ・・・・てンングハァッッッ!!」

「?」

いきなり乱上(バカ)の体が吹っ飛んだ。まるで横から何かで殴られたかのように。会場の一同は一度、横で伸びている乱上(あほ)を見てさっきまでそいつのいた場所を見た。すると何もない空間から、ボヤッと人の姿が浮かんできた。最初のほうは男か女かもわからないような、本当になんとか人とわかるような輪郭だけだった。しかし、しばらくするとはっきり見えるようになった。女の子だった。服装は唯と同じ黒いセーラー。死神だろう。ただ一つ気になったのは目に少しの光もない。まるでロボットみたいな。しかも手には巨大なハンマーが握られていた。

その少女は小さくこう呟いた。

「五月蠅い(うるさい)・・・・・・乱上」

どうやら乱上をぶっ飛ばしたのはこいつのようだ。

「それでは乱上(アホ)に代わりまして、わたくし東雲愛流(しののめあいる)が二次試験の内容を発表しようと思います。・・・ルーレットスタート」

愛流は手元にあったボタンを(多分)押した。するとステージの後ろにあったスクリーンに、次々と文字が映り始めた。その文字が表示されるスピードはだんだん遅くなって、やがて止まった。

(School RPG?)

「・・・今回はSchool RPGですね。まぁ内容は題名どおりです。詳しいことは担当に聞いてください・・・。あぁそれとこの試験は四人一組の団体戦になりますのでそれについても担当に聞いてください。それでは二時間後にテストを始めます。では・・・」

そう言って、愛流は出てきたときとは逆に空間に消えていった。

-12-
Copyright ©迷音ユウ All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える