第2章 School RPG
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「力の覚醒?」
照火、雫、菫の三人は同時に首をかしげた。
「そう、力の覚醒。照火は知ってると思うけど、死神は特別な『力』を持ってるんだ。でもそれは死神に限るものじゃないんだよ?普通の人間も『力』を持ってるんだ。ホラ現世でさ、超能力者っているじゃん?物を手を使わずに動かしたり、透視をしたりさ。そういうのは自分で自分の『力』を見つけた人たちなの。あなたたちにももしかしたら『力』が備わってるかもしれないよ?それをRPGで戦うために覚醒させるってわけ。わかった?」
「・・・」
あまりよくわからない・・・。まぁなんとなくは・・・。人間は死神と同じような『力』を秘めていて、それをRPGのために、なんかするということはわかった。
「なぁ・・・、備わってるかもしれないってことは、ないかもしれないってことか?」
飛鳥がここに来てはじめて口を開いた。ただ、声に張りがない。
「そうだね」
ないかもしれない・・・。もし、なかったらRPGで戦うのに不利になったりはしないだろうか。
照火がそれを聞こうとした刹那、
―イメージして・・・―
声が聞こえた。いや、これは聞こえたと表現するより、感じたというほうが正しいだろう。耳から聞こえてきたわけではない。直接頭へ。唯の声が直接頭の中に響いてくる。
―自分の中を探って・・・―
―そして自分を見つけるの・・・―
―そしてそれをイメージして・・・―
―自分の『力』をイメージして・・・―
―そしたら何かがわかるはず・・・―