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「後1チームか・・・」
身長は低いがもう中学生だろう。その少年はそう呟くと腕の機械を見た。
「そうだね、あとたった1チーム」
横にいた同じぐらいの身長の少女もそう腕の機械を見た。双子だろうか。顔が似ている。
腕の機械のディスプレイに表示されている地図を、ズームアウトする。地図の端のほうに4個の青い丸があった。
「ふっ、いたよ幸希」
少女が言うと幸希と呼ばれた少年は、
「本当だ・・・くくくっ。じゃあ行こうか望美」
軽く笑いながらその丸のある方へ向かって歩き出した。
「後1チーム・・・」
望美は幸希に聞こえないぐらいの小さな声でつぶやいた。その望美の声はどこか、悲しみを含んでいた。