小説『死神のシンフォニー【完結】』
作者:迷音ユウ(華雪‡マナのつぶやきごと)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

-11

「ん、・・・あ、ここは・・・」

目が覚めると、いつか見たような真っ暗な、何もない場所にいた。

「目が覚めた?」

声がした。唯の声だ。後ろを振り向く。そこにいた。

「唯・・・・・・、みんなは・・・・・・・?」

飛鳥・・・、雫・・・、菫・・・。

「・・・・・・」

返事はなかった。

返事の変わりに唯は、強引に、
「・・・・・・・・・照火、起きたなら行くよ」

「唯!みんなは!?」

「照火、行くよ」


唯は照火の言うことに答えなかった。

(今は関係ないことだから・・・)

唯は半ば強引に照火の腕を引っ張っていった。


「・・・・・・・・・」

   ◆

暗闇に二人の足音が響く。


「照火、・・・・・・・・・」

唯が足を止めた。

「今から最終試験――、アンケート第601問に答えてもらうよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

唯はすぅーっと息を吸って、
「じゃあ、第601問」

一呼吸。

「今、あなたが望むことは何ですか?」

-40-
Copyright ©迷音ユウ All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える