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照火はあれから家まで歩いていた。雨はいつの間にか上がっていた。
照火はゆっくりと家まで歩くことにしていた。
「あれ・・・・・・・・・?」
照火の前方、十mほどのところに、どこかで見たことのある二人が歩いていた。・・・・・・御影兄妹(きょうだい)だった。
(なんでいるんだろう・・・)
照火には理由がわからなかった。
でも、そんなことどうでもいいとすぐに思った。なぜなら、前から歩いてくる二人の顔はとても笑顔だったから。あんな笑顔の人間が復讐心なんて持っているはずがない。そう思ったから。
御影兄妹は照火の横を通り過ぎていった。照火の事は知らないようにただ、普通に笑顔で通り過ぎていった。