小説『Fate/Zero これは戦争ですか? いいえ観光です』
作者:銃剣()

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番外話 予告


――――吹き荒れる風


――――巻き起こる砂埃


――――風に流されるがままに雲が游ぐ曇天


そして、大地には埋め尽くされる屍の群れ
それは切られ、刺され、掻かれ、抉られ……その死に方は様々である


「はぁ……はぁ……」


そんな状況の中、息を切らし膝をつき、血を流している二人の強者
一人は黒の鎧を纏い、その手には黒い聖剣を杖のように持っている騎士
もう一人は、頭に黒い鉢巻を結び、黒の羽織、防具や鎧を着て、刀を持っている志士

その二人を囲んでいる軍勢
しかし、その者達は人にあらず。人の枠から外れた人外なり
この状況を見た黒い騎士


「…これまでか。敵の手にかかるより、最後は騎士らしく……潔く自害しよう」


そう言って、自らの聖剣を腹に突き刺そうとする
覚悟を決め、突き刺そうとした時


「馬鹿言ってんじゃねーよ………立て」


もう一人いた志士に止められる
志士は、その場で立ち上がり、刀を構える


「美しく最期を飾りつける暇があるなら、最期まで美しく生きようじゃねーか」


その言葉を聞いた騎士は少し笑い、立ち上がって、聖剣を強く握る


「行くぜ…暴食王」


「暴食王ではない。騎士王だ」


――――その男、漆黒の髪に血を浴び


「「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!」」


――――戦場を暴れまわり、圧倒する姿はまさしく


「だぁあああああああああああ!!」


――――鬼






全ては英霊の座を我が物とする者達の襲来から始まる


「くっふふふ……英雄が死して集うこの領域。愚かな人間共には勿体なかろう!」


この欲望が、英霊達と侵略者達の生死を賭けた戦いの引き金となった


「突撃だーーーー!!」


『うぁああああああああああああ!!!』


一人の槍兵が己の槍を敵に向け、兵隊を突き動かす


「我が同胞達よ!今こそ勝利の旗を加賀げよ!!」


『AAAALaLaLaLaLaie!!』


軍勢を率いる征服王が、車輪で疾走する


「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」


両手に宝具となった武器を持ち、狂化しつつも敵に突っ込む狂戦士


「敵の首を狙え!!」


『はぁ!!』


骸の仮面をした大量の暗殺者が戦場を駆け抜ける


「行きなさいお前達!!我が聖処女がお前達を導くだろう!!」


かつて一人の騎士であった異端者が教本を使い、怪魔を従わせる


「雑種共!!我に続けーーー!!」


兵を率いる人類最古の英雄が先陣を切る
戦いは激しさを増し、次々と命を落としていく者達
そんな中、騎士王と征服王が対話する


「貴様等、一人で突っ込むとは、頭が可笑しくなったか?」


「貴様に言われたくない…!」


「がははははは!全くだ!」


征服王が笑いながら、再び戦場を駆ける。まるで、戦いを楽しんでいるかのように
一方志士は、疲労により膝をついている


「おい」


「ぐぅ…!」


志士に声を掛ける英雄王
そこで左手を差し伸ばし、不敵笑いをする


「我の手でも借りるか?善明」


「うっせー!誰がてめぇーの手なんか借りるかよ!」


志士は差し伸ばした手を払いながら立ち上がり、そっぽを向く




そして、戦いの終わりに語られる各々の想い




戦場から帰ってきた英霊達と志士
傷ついた体を手当し、休息を取っている時


「決めたぞ……余はこの地に残ろう。此処で引き下がれば、我が軍門に降った者達に顔向けが出来んからな。余はもう…同胞達が死ぬ所は見たくない」


征服王の話にただ耳を傾ける英霊と志士
この戦いに終止符を打ち、元の英霊の座にする為にも




しかし、事態は急速に展開する!!




迫り来る強敵達
英霊達の拠点が襲われ、壊滅状態の時


ガシュッ!!


「ぐぅ!!……ぐぐっ…うぅ…」


拠点の屋根で戦っている英雄王と編笠を被り、黒のコートに身を包める大男
攻撃を喰らい、後ろに下がるが、それにより左目をやられ、左手で抑えている
残った右目で相手を睨む英雄王だが、それは何かに気づいているようだった


「そうか…貴様あの時の…」


「……………!!」


大男は剣を構え、三日月のような笑みをしながら斬りかかる


ガキンッ!!


だが、それを刀で止める志士…松村善明


「善明!!」


「こいつだけは……俺が!!」


刀で相手を押し通す志士だが、大男は後ろに飛び回避する
志士はそのまま突っ込み、英雄王もそれに続く


「っち!!……貴様は引っ込んでいろ!!」


「うっせー!!」


激しい剣撃を繰り出すも大男の剣の払いで押される志士と英雄王
後ろに吹っ飛ばされるも、前に突っ込む


「「うぉおおおおおおおおあああああああああああああ!!!」」


果たして彼等は、侵略者から英霊の座を守り切ることが出来るのか















――――燃え盛る火の海


――――倒れていく英霊達


――――そして





――――敵の刃を食らい、倒れ伏せる志士




「よ、善明ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」




その声は、天高く響き渡った














春に製作開始





しません!!!

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