第五話 損得考えずに欲しい物は買え
「と言う訳なんで、こうして全員集まった所でこれからの事を考えるぞ。誰か意見ないか」
ランスロットのあの一件が終わり、本題に入る
「まず今の時間帯は第四次聖杯が始まる前、そう考えるとまだ誰しも大きくは動いていない」
ディルムッドが今の状況を推測する
それに続いてハサンも答える
「他のアサシンからの状況だと、目立った動きがないと」
「なるほどねぇ。イスカンダルは?」
「テレビを見ていたかな。あまりそう言った情報はない」
イスカンダルは申し訳なさそうにしながら話す
「それじゃあギルは?」
「我はいつも通り過ごしていたぞ。お前から連絡が来るまではな」
「どうせワイン飲んでいただけだろ」
「ワインだけではない、ウォッカも飲んでいたぞ」
「いやどうでもいいよ。その情報」
ギルが自慢げに話すが、善明はどうでもよかった
「じゃあランスロットは?」
『私は呼ばれたと同時に腐れ昆虫爺をボコボコにした後、コンクリで固めて海に沈めました』
「何その極道なやり方!めちゃくちゃ怖いよこの子!」
善明はランスロットのやり方にツッコム
そして、善明は全員に話す
「まぁジルに関してはもう済んだが、結論からすれば全員呼ばれた原因が分からないって事か」
「それだけではありませんよ。私たちはサーヴァントで善明さんはマスターですよ。私達を使役するマスターが居る限り、私達は殺し合いをしなくちゃならないんですよ。どうするんですか?」
そうハサンの言う通り、聖杯戦争はあらゆる願いを叶えると言われる聖杯をめぐって行われる争い
聖杯を手にできるのはただ一組、ゆえに彼らは最後の一組となるまで互いに殺し合う事になる。この事実に全員が悩む。
悩みに悩んだ結果
「まぁハサンが犠牲になるという方向で」
「「「「「『賛成』」」」」
「いやちょっとおおおおおおおおおお!!!」
善明の言葉にハサンがツッコム
「何さらっと、とんでもない事言ってるんですかアンタは!もう少し考えろよ!てかお前らも賛同してんじゃねぇ!」
「いやだってお前が早く脱落するんだから別にいいだろ」
「全然良くねぇよ。殺されるサーヴァントの気持ぐらい考えろよ!」
「それより喉が渇いたな」
「余もだ」
「我もだ」
『私も』
「私もです」
ディルムッド、イスカンダル、ギルガメッシュ、ランスロット、ジルの順番に言う
「そう言えば今日何も食ってねぇし飲んでぇな。何か買いに行くか」
「聞けよ人の話!というよりサーヴァントの話!」
ハサンは真面目に聞かない六人に怒る
まぁ仕方ないよ…だってアサシンだもんお前
「アサシンを全否定!地の文容赦ねぇ!」
地の文にツッコミを入れるハサン
お疲れ様
「どうするコンビニでも行くか?」
「いや、この格好のまま行ったらダメでしょう」
今のサーヴァント達の格好は、普段の格好(戦闘時)である
こんな格好のまま行ったら、一発で不審者扱いである
「しょうがない。これ使うか」
善明はポケットからiPadを取りだし、操作する
【アプリ・アイテム転送
選択したアイテムを転送します】
すると善明の近くに魔法陣が出現し、そこから眩い光と風圧が辺りに叩きつける
そこには自動販売機があった
「いや何で自動販売機!」
「いいじゃねぇかよ。こうして飲み物に在り付けるんだから」
「だからって宝具をそんな扱いしていいのかよ!」
ハサンは宝具の使い方にツッコミをするが
「とりあえずコーラ」
「余はスプライト」
「俺はキリ○○モン」
「我はジンジャ○エ○ル」
『私はオレンジジュースで』
「私はドク○ーペ○パー」
全て無視される。それなのか凄く落ち込むハサン
「はぁ、分かりましたよ。買ってきますよ」
ハサンは自動販売機の前に立ち、商品を選ぶ
「え〜と、お茶・・・・・カル○ス・・・・・C○レ○ン・・・・・ポカリ○○ット・・・・・コーヒー・・・・・ビール・・・・・フ○ンタ・・・・・破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)・・・・・って宝具ぅうううううううううううううう!?!?」
ハサンは自動販売機にあり得ないものが売っていたのに気づく
「どうしたんだよ?」
「いや、何で自動販売機に宝具が売ってるんですか!おかしいでしょ!」
「いや〜最近の自動販売機は色々売ってるんだぞ。千円自動販売機だって色々売ってるじゃん。世の中、何があるか分からんぞ」
「飲み物の隣に宝具売ってる自動販売機なんて世の中探しても、ある訳ないだろ!しかも三百円ってえらく安いな!」
「あれだろ。それ位の価値しかいないサーヴァントが使っていたからだろ」
「失礼な事言うな!この宝具使っているサーヴァントに謝れ!」
ハサンは善明のボケにツッコミまくる
「とりあえず買うか」
「えぇ!買うんですか」
「買うも何も、宝具何だから手に入れるに決まってるだろ」
「でも、何の宝具だこれ」
七人は飲み物(ハサンの奢り)を飲み終わり、さっき買った宝具を見ていた
イスカンダルは手に取って眺める
「奇抜な形の短刀だな」
「殺生能力は低そうだな…何のために使うのか」
「では試し斬りすればいいでしょう。そうすれば分かるはずかと」
「だがギョロ目。一体誰が実験体になるんだ、我は嫌だぞ」
『私はなんとなく嫌です』
「つー事は…」
イスカンダル、ディルムッド、ジル、ギルガメッシュ、ランスロット、善明の六人はハサンを見る
「え、何で皆さん私を見るんですか。そして何で迫ってくるんですか!ちょっと聞いてます!皆さん私を取り押さえないで下さい!そして善明さん!その宝具を振りかぶらないで!ってああああああああああああああああああああああ!!!!」
「まさかマスターとサーヴァントの契約を切る宝具だったとはな。驚きだよ」
「iPadで調べられるんだったら最初からやれよ!」
あの後ハサンの額を突き刺した。結果は額から流血という結果に終わった…というのは冗談。ハサンに状態を聞いてみるとマスターとのパスが切れたと言った。そして残りのサーヴァント全員の手を切ってパスを切り、魔力を流す。結果的に全員が善明のサーヴァントになった
「というより大丈夫なんですか魔力?」
「心配するな。魔力に関しては、爺が英霊の座から直接送ってくるから魔力切れにならん」
「そんな事していいんですか?」
「いいんじゃない」
一方その頃
「「「「「何でパスが切れているんだ!?」」」」」
何にも知らないマスター達だった